誰かの笑顔の為に。【狼ゲーム】【短編集】 (ページ28)

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真剣勝負二回戦【新村コウ】ページ28

今日も暇してます。
Aです。

やることを探して部屋を片っ端から
散策中。

最初に入ったのはキッチン。

…誰もいない。

片っ端からはめんどくさいことに気づいて、一番人がいるであろう
大部屋に向かった。

ｶﾞﾁｬ

『……』ﾊﾞﾀﾝ

なんと言うことでしょうか。
中にはパソコンと楽しそうに、にらめっこしているコウの姿が。

ドアは全開にしたはずだ。
なのに視界にはぴょこんとした双葉
しか映らなかった。

…これは、究極の選択だ。

△ドアを開けて勝負をしかける
そのまま一人でお絵かき

お絵かきよりも、勝負の方が楽しい。←

『おーい、コーウ。』

「……」

部屋に入り、コウに声をかける。

黙々と何かに没頭していて全く気にする素振りさえも見せない。

『ね、猫…!?』

気になった私は、パソコンを覗いた。
そこには、たくさんの猫の写真が
映しだされていた。

「人のパソコンを覗くとは悪趣味だな。」

『それより勝負しよう。』←

軽くお説教されたけど、本題のルール
を説明した。

「ふむ。お前すぐに照れそうだな。
先制は譲ってやってもいいぞ?」

こいつもリンタロウと同じタイプだ…
うざいほどにニヤニヤして…

まあ、勝つつもりしかないけど。←

『そんじゃ、スタートで。』

合図と共に、私はとあるポーズをとる。

「お、お前…!!」

『ご主人様、私と遊ぼうにゃ♪』

私の必殺技。
にゃんこの真似。

「そ、それは卑怯だぞ…!!」

顔を手で覆いながら私に訴えるコウ。
はぁ～…さっきの威勢のよさはどこに…。

『そんなの知らないにゃ～♪』

ｶｼｬｯ

『う”え…!?』

謎のシャッター音。

「お前もまだまだだなぁ…?」

見せつけられたのは、笑顔で必殺技をする私の写真。

『今すぐ消せぇぇぇ!!』

「“ご主人様”、だろ?」

男をいじるのはやめよう。
やっぱり男は嫌いだ。

勝者.A
みたところ、コウにほんの一瞬だけ
惚れた模様。