✣✣ ページ3
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友人が笑みを浮かべている。はかなくて消えそうで、掴まないと、掴んでおかないとどこかへ行ってしまいそうだから手を伸ばした。
嬉しそうな顔に変わった彼の顔。周りを見渡してもここがどこか分からない。静かで、周りが真っ青だ。多分高いところ、下の方には綺麗に均されたであろう砂が見える。昨日は確か雨だったから多分大変だったはず。
「A」
『なあに、なかむ』
「俺と一緒に飛び降りてくれる？」
『？？あー、夢かこれ』
「……馬鹿にしてるでしょ」
きゅ、と眉を寄せる彼の目には恍惚と恐怖が浮かんでいる。彼のこんな顔を私は見たことがないんだけど、夢の中って何でもありなんだね。
なんだかどうでも良くなって首を縦に振る。なんか最近ぼうっとしてなかむにきちんと会えた気がしない。
ほっとしたように彼が肩を撫で下ろす。空と同じくらい澄んだ瞳からポロポロと涙がこぼれて、白い頬を伝っていく。
二人でフェンスを乗り越えた。びゅおっと大きい風が吹いて、フェンスがガシャンと音を立てる。
「俺さ、1個だけ言ってないことがあったんだよね」
『なにそれ』
「夢って本来覚えておくべきことじゃないんだよ」
『ふうん』
「夢日記はそれを思い出して書く。アウトプット的な感じ。そういえばインプットとアウトプットだと後者の方が記憶の到着率高いって話したよね？夢日記をつけると夢と現実の優先度が脳の中で入れ替わる」
ペラペラと回る口、夢日記のことは彼が言っていた以上のことは知らないはず。
彼の顔が歪む。
「俺が夢に出てきたって聞いたとき涙をこらえるのに必死だった」
「Aの記憶に何回も定着されていくのを聞くだけで意識がくらくらした」
「俺が君の側にいる。夢だって、現実だって」
吸い込まれそうなほど綺麗な水色のピントがこちらに合う。それがゆっくりと三日月型に細められた。
「ねえ、今はどっちだと思う？」
彼が、なかむが、私の指に指を絡めて落ちていく。彼の足が離れると同時に私の身体も宙に浮いた。はっと彼の真意に気づいたときに、ぐちゃと音がして目が覚めた。
おどろく【驚く】
1.
はっと気付く
2.
目を覚ます
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ポム(プロフ) - シソラスさん» ありがとうございます、そう言って頂けて嬉しいです😭💕これからも頑張りますので是非よろしくお願いします🙏 (2月26日 0時) (
レス) id: 22cb62df43 (このIDを非表示/違反報告)
シソラス - どの作品も独特で不思議な雰囲気が漂っていてとても好きです…是非応援させてください。 (2月22日 15時) (レス) @page7 id: 1420bb5147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポム | 作成日時：2024年2月18日 19時
