✣ ページ14
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5、6、7時間目は結局悶々として授業がなんにも頭に入ってこなかった。特に苦手な教科ばっかりが詰まった7時間授業の日なのに。
皆が皆疲れ切った顔をして、早く帰りたいとソワソワする。プロじみた手つきでスクバに教科書を詰めて準備万端な人、もうマフラーつけてんのヤバいな。先生がその様子を見て苦笑して、号令をかける。終礼が終わったあとに掃除も部活も基本なし、ここだけが7時間授業の日の良いところだ。
「A」
なかむが教室に入らずに、ドアの側でちょいちょいと手招きをした。別に入っても怒られないのに、てか昼休みは入ってたじゃん。
「しゃけ〜！悪いけど俺用事できたから今日はAと一緒に帰っといて」
「はあ！？おい、は、え？どういうことだよ！」
『え？は、ナカムサン？？？』
「もたもたしてると誰かさんに盗られるかもよ」
最後に意味深な言葉だけを残して駆け出す彼。二人ぽつんとそこに残される。これわざとだよね？当たって砕けるにしたって心の準備があるでしょ。もうちょっと待って欲しい、一緒に帰れるように仕向けてくれたのはありがたいけど、
「…………帰るか」
『あー、うん。なんかゴメン』
「別に」
気まずすぎる。
仲は悪くないのだ。二人きりになったことがあんまりないだけで、あるにはあるし。
冬の日暮れは早くて、もう光が茜色に染まっていた。下駄箱に着いて、靴を履き替えて、正面玄関に行けばシャークんが待っている。ちょっと遅かったかも、と小走りで向かえば「別に走んなくてもいいだろ」とはにかんだ。
好きだ。どうしようもなく好き。
夕焼けマジックなのかもしれない、なんか影がいい具合にかかってて、普段はいたずらっ子ぽく笑うのになんか照れた感じで笑ってるから。
砕けても良いと思った。折角なかむがくれたチャンスだし。
これで最後かもしれないと思ったらグイグイ押す勇気が出てきた。マフラーの垂らした方のふわふわを見て、唇をぎゅっと噛む。不思議そうにこちらを見る彼のエメラルドに夕陽がきらきら反射して胸を撃たれた。けど、ここで負けちゃいけない。
『待たせてごめん！行こ』
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ポム(プロフ) - シソラスさん» ありがとうございます、そう言って頂けて嬉しいです😭💕これからも頑張りますので是非よろしくお願いします🙏 (2月26日 0時) (
レス) id: 22cb62df43 (このIDを非表示/違反報告)
シソラス - どの作品も独特で不思議な雰囲気が漂っていてとても好きです…是非応援させてください。 (2月22日 15時) (レス) @page7 id: 1420bb5147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポム | 作成日時：2024年2月18日 19時
