おどろく 🐼 ページ1
夢日記なるものを始めることにする。面白い夢を見ても忘れることが多いけどどうしようもない、と友達に相談すれば「夢日記っていうのがあってさ――」とメリットについて嬉々として語られた。何でも起きたあとに夢を鮮明に覚えていられるようにする訓練的な側面があるらしい。あと記憶力が良くなるとか。
xx月xx日
起きたら知らない天井だった。夢の中で起きるってなんだか変な気分だ。病院服を着て、コッペパンが与えられる。萌え袖にパンダのフードがついた可愛らしい白衣を羽織った友人がカルテを持って「今日の調子は？」と聞いてくるのがなんだか面白かった。笑ったら少しだけ眉をひそめて「馬鹿にしてるでしょ」と呆れたように言うところが実物の彼そっくりで、夢って案外写実性高かったりするかもしれない。
『で、そういう夢を見たってわけ』
「ふうん、Aの夢に俺でてきたんだ」
『そー、病院なのに全然人居なくてちょっと怖かったけど』
「まあ夢だしね」
苺と生クリームのコッペパンを食べながら、電柱にいるカラスを見て興味なさげに相槌を打つ彼。そっちが結構ノリノリで教えてくれたから夢日記始めたのにつまらないなあ、と少しぶすくれていたら「あげないよ」とパンを隠すように持った。食べないよ。
――――――――――――――――――――
○○月○○―
少し暗めの住宅街をぶらぶら歩いていたら、ピエロの格好した友人が私の腕を引いてサーカスに招待してくれた。「今日はステージやってないんです」とサーカステントを指差す彼。声色も顔色も全く変わらない彼に、今日の友人は再現度あんまり高くないなと思ったかな。
暗く淀んだ瞳で"団長"とやらの代わりに案内してくれる彼の背中はいつもと同じように見えた。
私の名前をチケットに書いて、パチッと切られる感覚が妙にリアルで頭の中に鮮明に残っている。
「え〜、俺出てきたの久々じゃね？」
『そうなんだよね、でも今日のは再現度高くなかったわ』
「俺の再現度？とかあるんだ」
『あるよそりゃ』
へぇとまたも興味なさげに呟いた彼は、ガラスコップの中の水色をズズっとすすった。ガシャガシャと氷をかき回して、早く溶けろと画策してたけどそんなに面白くなかったかなあ、この話。まあ、特筆して話せるようなことはなかったよね。
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ポム(プロフ) - シソラスさん» ありがとうございます、そう言って頂けて嬉しいです😭💕これからも頑張りますので是非よろしくお願いします🙏 (2月26日 0時) (
レス) id: 22cb62df43 (このIDを非表示/違反報告)
シソラス - どの作品も独特で不思議な雰囲気が漂っていてとても好きです…是非応援させてください。 (2月22日 15時) (レス) @page7 id: 1420bb5147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポム | 作成日時：2024年2月18日 19時
