無力な少女は時を超える〜過去妖魔界編〜【シャドウサイド】

プロローグ2 ページ3

真魔洞潔｢姫を守ることもできず 人間たちから 妖聖剣を奪うこともできず…｣

真魔洞潔｢それでも かつて その強さと残忍さで 妖魔界に名を知らしめた あの酒呑童子か！｣

酒呑童子｢なんだと?!｣

真魔洞潔｢姫を覚醒させて 妖魔界を支配する… それが 我ら鬼族の悲願…。｣

真魔洞潔｢その使命… お前が果たせぬのなら…｣

真魔洞潔｢酒呑童子… お前を… 倒す！｣

ナツメ/A｢！｣

酒呑童子｢くっ… 姫はお守りせねば…！｣

酒呑童子｢よかろう… 来い 洞潔！｣


目の前で自分の大切な人が戦っている。

なのに、無力な少女は何もする事が出来ない。

少女はそれが嫌で嫌で仕方なかった。

『守られるだけじゃ嫌だ。けれど、私には力が無い…』

そんな少女の願いも虚しく、いつも間にか争いは終わっていた。


真魔洞潔｢これほどの力を持つとは…。｣

真魔洞潔｢フ… さすがだな 酒呑童子よ。｣

酒呑童子｢…お前が相手だからな。｣

真魔洞潔｢フン… さぁ とどめをさせ。｣

酒呑童子｢……。お前は 失うには惜しい手駒だ。 とりついた 空亡ウイルスさえ排除できれば…｣

ジャギンっ！

酒呑童子｢ぐはあああっ！｣

真魔洞潔｢それが 覚悟が足りぬということだ。｣

真魔洞潔｢ククク… この男は もはや手後れ。｣

酒呑童子｢貴様… 空亡か…?! よくも洞潔を…!!｣

酒呑童子｢私が憎いか？ いいぞ… もっと憎むがよい。｣

真魔洞潔｢貴様の憎しみが 強ければ強いほど 私がとりこむ力も 大きくなるというもの…。｣

酒呑童子｢おのれ……っ！｣

真魔洞潔｢フハハ… 憎しみに呑まれて 消え去るがよい！｣

真魔洞潔｢そうすれば 鬼姫の力も さがしやすくなるというもの。｣

真魔洞潔｢お前なぞに あれほどの力を 使いこなせるわけもなかろう！｣

酒呑童子｢く…っ 姫にだけは… 手出しさせんぞ…！｣

真魔洞潔｢フン その体で 私にかなうと思っているのか？｣

ドクンッ

真魔洞潔｢む… この男… まだ意識があるというのか…！｣

真魔洞潔｢ぐっ うおおおおおっ！｣


ナツメ｢酒呑くん…！ 洞潔先生…!!｣

A｢洞潔っ！｣

酒呑童子｢ハッ 洞潔…！｣

真魔洞潔｢酒呑童子… 覚悟を決めるのです……。｣

真魔洞潔｢空亡などに 姫を奪われてはなりません。｣

真魔洞潔｢私が 抑えているうちに この身ごと 空亡ウイルスを…！｣

ナツメ/A｢そんな…っ！｣

酒呑童子｢………。｣

A｢ま、まさか……！｣

酒呑童子｢すまぬ… 洞潔……っ！｣

A｢っ?!｣

ボォォォォッ！

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