第5話:フラグ ページ7
…残念ながら嫌な予感と言うのは大概当たる。
子供｢今度こそ俺が決めてやるー！見ろ！俺の必殺シュート！｣
そう言って、子供がゴールに向かってボールを蹴った。
…はずだった。
ボールは反対方向、不良達の方へ飛んで行く。
そして、
不良達｢うわっ！｣
雪菜｢あ”。｣
不良二人組の顔面スレスレを通り過ぎた。
…今度からフラグ立てるのやめとこ。
不良1｢誰だ！此奴蹴ったのは！｣
長身の方の不良が怒鳴り散らす。
円堂｢だ、大丈夫ですか？すみませんでした。｣
そこに円堂が駆け寄り、頭を下げる。
円堂｢あの、ボールを返しt…っ?!｣
雪菜｢っ?!｣
不良が円堂の腹部を蹴り付けた。
円堂は痛みに顔を歪め、倒れ込む。
木野/雪菜｢円堂くん！/円堂！｣
ってか、東京ってこんな感じなの?!
普通に不良に絡まれる生活送ってるわけ?!←違う。
不良1｢ボールって、これか？｣
不良はそう言うと、ボールの上に腰を下ろす。
雪菜｢………。｣
体の中から何かが湧き上がって来るのを感じた。
きっと”怒り”だ。
ボールをあんなに粗末に扱うなんて…許さない。
不良2｢あれ？雷門中じゃねぇの。部員の全然いない、弱小サッカー部ですよ。｣
不良1｢くっだらねぇ。ガキ相手に玉蹴りか？｣
不良2｢ヤスイさん。お手本、見せてやっちゃぁどうです？｣
ヤスイ｢いいねぇ。｣
不良…ヤスイは、そう言って立ち上がると、
ヤスイ｢やってやろうじゃねぇの。｣
と言い、ボールに唾を吐いた。
雪菜｢っ………！｣
ヤスイ｢あらよっと！｣
不良が蹴ったボールは、複雑な軌道を描いてベンチ付近にいる女の子の方へ飛んで行く。
私は反射的に走り出す。
けど、間に合わないっ！
そう思っていると、
ドゴンッ
ボールを蹴る音がするのと同時に、私の視界をオレンジ色が覆った。
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