7話 ページ8
「ふふふ…ねぇ、まだ分かんない?洞潔ちゃん。」
島之内「………?!」
洞潔ちゃんはものすごく驚いた顔をしている。
まぁ、驚くのも無理はないよね。
僕、この姿だし。
島之内「貴様、どうしてその名前を…?!」
あー、
まだ僕の正体に気づいてないかぁ。
「へー。まだ気付かないの?これでも一応、僕は君の上司なんだけどなー。」
島之内「上司?まさか…!
「はぁ、やっと気付いたかぁー。てか、今更畏まらなくていいし。この体でも、君が僕に働いた無礼は覚えてるんだからね。」
島之内「そうか。じゃあ、いつも通り呼び捨てとタメでいくぞ。で、どうしてその体に…?」
「まぁ、色々あってさ。
島之内「解離性同一性障害…?聞いたことが無いな。それと、名前が長い。」
「まぁ、簡単に言うと多重人格的なものだよ。それで、何かの拍子に僕が人格としてAの体に取り込まれた。」
島之内「だが、お前なら直ぐに抜け出せるのではないか?人格解離の術が使えるのだしな。」
「あのねー、それが出来たらとっくにやってるよー。出来ないから困ってるんじゃないか。」
島之内「それは、何故だ…?」
「洞潔ちゃんも本当は薄々気付いてるでしょ?この体になってから、僕の力は弱まった。から、人格解離の術が使えなくなった。」
島之内「……。じゃあ、つまり。」
「そう、また何かが起こらないと、僕は元の体に戻れない。それに、力が弱まっただけじゃない。Aは普通の人間だから、この体で力を使うとAの体に負担がかかる。から、緊急事態じゃない限り、治癒能力程度しか使えない。」
島之内「そうか。では、酒呑童子様に相談してみる。今日の放課後に屋上に来い。」
「あー。今日は先約があるからさー。」
島之内「その先約が、酒呑童子様だ。」
「………はい?」
島之内「酒呑ハルヤこそ、酒呑童子様の人間姿だ。」
「うっわマジか。てか、なんで童子達は人間界に居るの?」
島之内「その話を放課後にするんだろう。もうチャイムが鳴る、教室に戻れ。」
「はいはいバイバーイ(棒)」
in職員室
あー。
なんか、物凄く疲れた。
さぁ、次に行こう。
「君、盗み聞きとは良い趣味してるね?」
そう言うと、廊下の曲がり角にいた人物は肩を震わせ、そろそろとこちらを見た。
茶髪のお下げの子。
同じクラスの子だ。
「んで、どこから聞いてたの?」
僕はそう聞いて、口だけでニヤッと笑った。
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