無痛少女

不可解 ページ10

あれから母は私にかなり気を使うようになったが、これまで普通に生活できたという自信があったので私は全く気にしていなかった。


無痛であることは絶対にバレたくない。


もしこのことがバレたら今の学校生活、私という存在が難病者としてしか扱われなくなる。


そんなの絶対に嫌。


親にも学校側にはただの酷い骨折で１ヶ月休んだとしか言わないように言っておいたから学校側も私について知らないはず。



が、しかし、久しぶりに学校に来たせいか色んな人に見られている気がする。


視線の方へ顔を向けると目をそらされるから、多分私を見てたのだろう。


丸井くんと仁王くんは相変わらず二人でお喋りしてるから安心したけど、その他の視線が私の隠していることについて知っていると言わんばかりのものだから怖くて仕方がない。


なにもされていないのに怖いなんてあるんだ……


とにかく朝のSHRが始まる前に主要科目のノートを写しておかないと……て、本当は入院している間にLINEなどで見せてもらうべきだったが何故かそれは既読無視か未読無視で終わっている。


きっと、授業中に寝ていて書いていないからとか字が自分しか読めないくらいだからとかだと思っていた。


ノートを見せて貰うには、実際に見せてもらって良いか聞いた方が手っ取り早い。


そう思って隣の席の女の子に聞いてみた。
すると予想外の反応だった。


私が聞いた瞬間困惑した顔をして、当たりの反応を見ようとしていた。
きっと誰とも目を合わすことが出来なかったと思うが、私にはそれが不可解で何か周りの反応と関係しているのではないかと思った。

偶然に→←会いたいな

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す