第三十六話「小さな約束」 ページ37
カルナの力を一旦返して彼を見遣った
彼の事情は露ほども知らない。轟君と緑谷君の試合は終盤しか見ていないが、それでも彼にただならぬ事情があるのは見て取れた
だからと言って、半分の力だけで勝とうとする彼に怒りが湧いた
「俺は、“あの人”のように、“あの人”のようなヒーローになるんだ！
君には負けない！！」
“あの人”
人理修復の旅の最終地点である時間神殿で、最後まで何も言わずに世界を救った俺達だけが知ってる彼の“英雄”としての姿
マーリンからドクターがこの世界にいると聞いて、王様の千里眼を借りて何度も探した。何度も彼の背中を追った。けれどドクターは尽く見つける一歩手前で逃げてしまう
何度も何度も探した。探し続けた。探しているのに
彼は俺に、ごめんなさいもおかえりも、ありがとうも言わせてくれないのだ
初めて会った日「今度は美味しいケーキぐらいはご馳走するよ」と言った彼は、あの日の約束を覚えているだろうか？きっと彼のことだから、もう覚えていないかもしれない
それでも、俺はその小さな約束を、平和になった世界で果たしたかった
だから今度こそ、この世界に平和を！そしてその世界で、果たせなかった約束を、今一度果たすのだ
轟君の左半身が燃え上がる。轟々と燃え上がる炎は次第に勢いを増した
俺も、再びカルナの力を借りて宝具解放用の台詞を唱え始める。ふわりと体が上昇していった
「神々の王の慈悲を知れ。絶滅とは是、この一刺。インドラよ、刮目しろ」
俺の力が不完全な上、金の鎧が無い為に威力はオリジナルよりかなり落ちるがそれでも対神宝具だ。生半可な防御や攻撃では相殺できない
上昇するエネルギー量にセメントス先生がコンクリートの壁を作り出し始めた。だが、もう遅い
轟君の巨大な炎が迫っている
「焼き尽くせ、『
桁外れの火力に爆発が巻き起こり、スタジアムに強烈な轟音が響いた
「轟君行動不能！勝者、藤丸君！！」
焼き尽くされたコンクリート製のステージ、その場外。轟君は瓦礫の上で気絶していた
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饅頭 - もう更新しないのですか？ (2020年12月14日 21時) (
レス) id: d3fe79fcb9 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 続きがとても気になります！面白かったです！！ (2019年8月9日 0時) (レス) id: 54047cc432 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます^ ^ちょっと執筆が滞り気味ですが、頑張ります！！ (2018年7月17日 18時) (レス) id: c509ccdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - とっても面白かったです！頑張ってください！(ロマニさんがどうなっているのかめっちゃ気になる。) (2018年7月17日 18時) (レス) id: 20543c8800 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 奏さん» 応援ありがとうございます！ロマニはそのうちまた出てくるのでお楽しみに〜 (2018年7月11日 15時) (レス) id: e73c005897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆丸 | 作成日時：2018年5月3日 17時
