第三十四話「第二回戦」 ページ35
第二回戦が幕を開けた
ステージに向かう途中で見かけた担架で緑谷君は、自分の腕と勝利へのチャンスを引き換えに轟君の心を救った。だが俺はそんな彼があまりにも危ういと思った
王様達にはお前が言うか、と言われてしまったが、俺はあそこまで自己犠牲は酷くないと思う
ベティには五十歩百歩だと苦笑された。解せぬ
ああでも、ああいう無茶を人理修復の旅ではよくやったものだ。そしてよくサンソンやナイチンゲール、キャスニキに説教された。美人が怒ると怖いんだよなあ
ーステージ補修後ー
「藤丸君、俺はここで負けるわけにはいかないんだ」
「うん、そうだね。きっと誰もがそうだ。普通科の俺を、君は超えていかなければならない
けれど、俺も負けれないんだ」
「ヒーローになる為か？」
「ヒーローになるのは手段だよ、飯田君。ヒーローになって何をするのか、どうしたいのかが重要なんだ
俺はね、ある人みたいになりたいんだ
その人は甘いものが大好きで、軟弱で、ドルオタで、天才に努力と無茶で張り合って、いつも睡眠不足でさ」
「悪口か？」
「でもね。それなのに誰にも何も言わずに全部救って消えたちゃったんだ。その人を、俺はずっと探してるんだ
今度は俺が助けたい。あのときみたいに笑って手を差し伸べられるヒーローに、俺はなる」
だから、と俺は続けた
「精一杯足掻いて、君を倒すよ！」
空間が歪んで波打った。すると波紋から勢い良く無数の鎖が飛び出し、飯田君に雨のように降り注いだ
眼前に迫った鎖を間一髪で避けるも、すぐに鎖は生き物のように飯田君を追いかける
「ぐぅっ！！」
逃げの一手しか取れずに飯田君は捕まった
巻き付いた鎖から逃れようと飯田君は必死に藻�惜いた
「＿＿＿＿＿……まだ！まだだッッ！！！！」
唸るようなエンジンの音が鳴り響く
鎖が１本千切れて飛んだ
「俺は負けない！俺は、兄のようなヒーローになるんだ！！
君に、此処で負ける訳には、いかないんだ！！」
ブツンッ！！
飯田君を拘束していた鎖が千切れた
「トルクオーバー・レシプロバースト！！！！」
エンジン音をスタジアム中に轟かせ、勢い良く此方に走ってくる
風を切るような音がして彼の足蹴りが眼前に迫っていた
「負けてたまるか、って？そりゃ皆同じだよ
俺だって、君に負けない！」
眼前で鎖に拘束されて身動きの取れない彼に、俺はそう言って場外彼を投げた
「飯田君、場外！藤丸君、三回戦進出！！」
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饅頭 - もう更新しないのですか？ (2020年12月14日 21時) (
レス) id: d3fe79fcb9 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 続きがとても気になります！面白かったです！！ (2019年8月9日 0時) (レス) id: 54047cc432 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます^ ^ちょっと執筆が滞り気味ですが、頑張ります！！ (2018年7月17日 18時) (レス) id: c509ccdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - とっても面白かったです！頑張ってください！(ロマニさんがどうなっているのかめっちゃ気になる。) (2018年7月17日 18時) (レス) id: 20543c8800 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 奏さん» 応援ありがとうございます！ロマニはそのうちまた出てくるのでお楽しみに〜 (2018年7月11日 15時) (レス) id: e73c005897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆丸 | 作成日時：2018年5月3日 17時
