第三十話「アクセルは全開で」 ページ31
ＮＯside
「アンザス！！」
幾つもの炎の玉が乱射され、他の騎馬が怯んだ。そして、轟音が響いた
「ランサー！！」
突如地面から鎖が伸びる。何チームかがその鎖の餌食となって身動きが止まった
「「ぎゃああああああああ！！！！」」
悲鳴の二重奏。一つは緑谷、もう一つは心操だ
藤丸は地鳴りのようなバイクの音を響かせ、一直線に緑谷へと走ると空へ逃げた。サポート科の発明品だ
「ッチ」
舌打ちを一つして、ブレーキをかけて車体の方向転換をする
地面に膝が触れそうなほど、車体が傾いた
「人使！行くぞ！」
そう言って再度アクセルを全開にした。その場に残像を残し、猛禽類の如き鋭い叫びを上げて他チームを通り過ぎ、その間際に死にそうな顔をした心操が鉢巻を掠め取った
「立香！後ろ来た！」
「ランサー！！」
するとバイクの後輪の上にスカハサが現れ、金属音が響く。Ｂ組の鉄哲の個性によってスカハサの槍は防がれた
「力を見せるが良い、勇士よ。できなければお前の命をもらうまで」
数本の槍が降りかかり、鉄哲達は必死に避けるがすぐに追い詰められて槍に囲まれ身動きが取れなくなった
「何でもアリかよ藤丸・心操ペア！！何でも出てくるぞ！！？連携スムーズ過ぎだろ！！」
だって俺の自慢のヒーローですから！だって俺の自慢の友人ですから！内心で藤丸は叫んだ
心操が叫ぶ、藤丸は雷を轟かせ、槍を投げ、鎖で封じ、業火を浴びせる。接近戦だろうが遠戦だろうが、負けない
「だいぶ取ったね」
「あとは上位組か……」
「行っちゃう？」
「勿論！」
轟が作った氷の壁、それに向かって走り出す。氷の壁を駆け上がり、宙を飛んで彼等の前に降り立った
「緑谷君……取りに来たよ！！」
「！！」
勢いのついた車体に急ブレーキをかけると、地面が車輪に擦れて焼け焦げる。エンジンが唸りを上げる
視界の端で轟チームが動いた
「立香！！」
「人使、伏せてて！」
バチバチと雷電が走る。上鳴が構えた
「いっくぜー！無差別放電１３０万Ｖ！！！！」
土煙が上がり、藤丸達の姿もかき消える
「ひゅー、危ない危ない」
雷が直撃したように見えた、次の瞬間。煙の中から、藤丸達のバイクが氷の壁を上って走り出した
エンジンを噴かせて壁を駆け下りる
「今のを避けられたか……」
悔しそうに顔を歪める轟。今ので上鳴は使い物にならなくなる寸前だ
「それじゃあ反撃と行こうか」
ＮＯside終了
第三十一話「反撃の狼煙」→←第二十九話「第二種目：“機”馬戦」
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饅頭 - もう更新しないのですか？ (2020年12月14日 21時) (
レス) id: d3fe79fcb9 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 続きがとても気になります！面白かったです！！ (2019年8月9日 0時) (レス) id: 54047cc432 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます^ ^ちょっと執筆が滞り気味ですが、頑張ります！！ (2018年7月17日 18時) (レス) id: c509ccdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - とっても面白かったです！頑張ってください！(ロマニさんがどうなっているのかめっちゃ気になる。) (2018年7月17日 18時) (レス) id: 20543c8800 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 奏さん» 応援ありがとうございます！ロマニはそのうちまた出てくるのでお楽しみに〜 (2018年7月11日 15時) (レス) id: e73c005897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆丸 | 作成日時：2018年5月3日 17時
