第二十話「魔眼」 ページ21
詠唱が終わるとそこは、どこまでも続く荒野だった
空は赤錆びたような色で幾つもの大きな歯車が浮かび、墓標のように何百何千もの剣が丘の上に突き刺さっている
いつ見ても、物寂しい光景だ
「藤丸君！！一体、何が……！？」
背後から緑谷君の声がして振り返る
傷だらけの彼に微笑みかけ、すぐそばに突き刺さっていた剣を引き抜いた
「緑谷君、大丈夫。脳無は俺が倒す
だから、そこ、絶対に動かないでね」
緑谷君とオールマイトの呼ぶ声が聞こえたが、振り返らない
戸惑う死柄木と相変わらず感情の読めない二体目の脳無に向かって駆け出すと、それに呼応して周りに、投影された剣達が現れては次々と脳無を攻撃した
間髪を入れず、下から斜めに斬りつけ、更に取って返すように上から斬る
「っは！その程度じゃ脳無は倒せねぇよ！」
脳無の拳を避けるも、地面に叩きつけられた拳の威力に爆風が巻き起こる
思わず足は地面から離れ、脳無のちょうど真上へと投げ出された
「殺れ！脳無！」
「
すぐさま体勢を整えて弓と矢を投影すると、脳無が跳躍してこちらに向かってくる
弓にフェルグスの剣を改造した矢を番い、標的に狙いを定め、ギリギリまで引いた
「────我が骨子は捻れ狂う
放たれた矢は、空間を削り取りながら脳無に命中した
脳無の腹に風穴を開けて貫通した矢は、地面にクレーターを作り、脳無と共に落ちた
しかし、それでも脳無は倒れない
ボコボコと不快な音を立てて脳無の腹は再生した
「やっぱ駄目か……
兎に角、動きを封じて捕獲しないとな」
エミヤの力を一旦返し、ゴルゴーンを呼ぶと目が熱くなった
「緑谷！！オールマイト！！俺の目を、見るなよ！！」
言って、魔眼を解放した
ビキビキと音を立てて脳無の身体が石に変わる
調整はしたので生きてはいるが、暫くは動けまい
エルキドゥの鎖を借りて拘束すると、固有結界が崩れて元の広場に戻っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 540人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
饅頭 - もう更新しないのですか？ (2020年12月14日 21時) (
レス) id: d3fe79fcb9 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 続きがとても気になります！面白かったです！！ (2019年8月9日 0時) (レス) id: 54047cc432 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます^ ^ちょっと執筆が滞り気味ですが、頑張ります！！ (2018年7月17日 18時) (レス) id: c509ccdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - とっても面白かったです！頑張ってください！(ロマニさんがどうなっているのかめっちゃ気になる。) (2018年7月17日 18時) (レス) id: 20543c8800 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 奏さん» 応援ありがとうございます！ロマニはそのうちまた出てくるのでお楽しみに〜 (2018年7月11日 15時) (レス) id: e73c005897 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小豆丸 | 作成日時：2018年5月3日 17時
