第二話「ハッピーエンド」 ページ3
「君は人理を救った」
珍しくマーリンは真面目に言った
「君は
目を閉じた
果たして俺は世界を救ったのだろうか？
多くの人が傷ついて、悲しんで、苦しんで、死んでいった
俺が彼等を否定したからだ
目を開けた
「君は、君だけは救われなかった」
感情を持たない筈の彼の目から涙が零れた
「こんなの報われない、間違っている！！」
「間違っていないさ
俺は彼等の世界を否定して、消し去った。だから罰せられた」
「君の所為じゃない」
「俺が選んだ結果だ」
「そんなの……」
あんまりだ、彼はぼろぼろと涙を流しながら俺に縋りついた
ふわふわの白い髪が首元を擽った
「俺はマシュに世界を見せてあげたかった。だから彼女の手を取った
だけど見せる世界がなかったから戦って、人理を修復した
俺はマシュに幸せになってほしかっただけだから、居場所がなくなるのが嫌だから
全部その為にしたことの結果だよ、マーリン」
「それでも私はハッピーエンドが見たかったんだよ
君がいなきゃ、それは私が望んだハッピーエンドじゃない」
ぐずぐずと鼻を鳴らしながら頭を肩に擦り付けるマーリンに思わず溜息を吐いた
そしてべりっとマーリンを引き剥がし、涙で濡れた両頬を思いっきり叩いた
「俺の幸せは！俺のハッピーエンドは俺が決める！！お前じゃない！！
マーリン、確かに俺の最期は報われないものだったのかもしれない。けど俺は、皆と会えて良かった、楽しかった。なら俺はそれで良かったんだ！
物語のハッピーエンドを決めるのは“読者”じゃないんだよ、そうだろ？」
口は半開きのままに唖然とした表情で俺の顔を覗き込んでいた
「……痛い」
「お前なあ……」
「＿＿ああでも、君がそれで良いと言うのなら、それで良いのかもしれないね」
頬に添えた手を取ってマーリンは少し安堵するように言って、立ち上がった
「ならばせめてどうか、最後まで善い旅を。その行く末に、晴れ渡った青空があることを祈っているよ
僕は君のファンだからね！」
そう言って突如巻き起こった花嵐の中、彼は笑っていた
「ああそうだ！言い忘れていたけれど、“彼ら”も転生しているだろうから見つけたらよろしく言っといておくれ！！」
「てめぇ重要なことは先に言えよーーーーー！！！！」
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饅頭 - もう更新しないのですか？ (2020年12月14日 21時) (
レス) id: d3fe79fcb9 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 続きがとても気になります！面白かったです！！ (2019年8月9日 0時) (レス) id: 54047cc432 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます^ ^ちょっと執筆が滞り気味ですが、頑張ります！！ (2018年7月17日 18時) (レス) id: c509ccdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - とっても面白かったです！頑張ってください！(ロマニさんがどうなっているのかめっちゃ気になる。) (2018年7月17日 18時) (レス) id: 20543c8800 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 奏さん» 応援ありがとうございます！ロマニはそのうちまた出てくるのでお楽しみに〜 (2018年7月11日 15時) (レス) id: e73c005897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆丸 | 作成日時：2018年5月3日 17時
