第一話「ロクデナシ」 ページ2
「マーリン死すべし！！」
そう叫んで繰り出された右手の拳は見事に飄々とした目の前の男の左頬に当たり、花びらを散らしながら男は倒れた
「君、酷いじゃないか！！？というか今、強化バフ盛っただろう！！」
「ドクターやアルトリア達がお前をロクデナシっていうのよく分かる気がする」
「無視！？」
ギャアギャアと目の前で喚く男はマーリン
一見、ただの優男だが、自他共に認めるクズであり、実際にケツァル・コアトルの投げたマルドゥークの斧を杖で誘導し、彼自らの手でゴルゴーンの鮮血神殿にぶつける手筈だったのを少しばかり反故にしたことで、後に彼女から報復として関節技を受けることとなった正真正銘のクズ、ロクデナシだ
だが、その時代の全てを見通す千里眼だけでなく、それに相応しい魔術師としての実力を併せ持ち、ソロモンと同様「グランドキャスター」の資格を持っている
精神への介入、現実世界への虚像投影など人を惑わす魔術を得意とするAランクの「幻術」スキル。人間はもちろん、電子機器すら欺き、精神世界における悪夢はもちろん、現実においても一つの村程度の虚像を軽く作りあげ、キャメロットでベディヴィエールにかけた「誤魔化しの魔術」は余程の者でなければ人間やサーヴァントに正体を気づかせず、カルデアの観測ですら誤作動を起こすレベルの幻惑を可能としている
結構、凄い奴でもある
「そりゃあそうだとも、なんたって私はグランドキャスターだからね」
「黙れ元凶」
「あはははは！酷い言われようだ！」
よっこらしょっ、とマーリンは腰を上げて立ち上がる
「まあでも元気そうでなによりだ。“記憶”もばっちりのようだしね」
「誰かさんのおかげでね」
そう、俺、藤丸立香はマーリンの魔術によって前世の記憶を取り戻したのだ
おかげで処理しきれない情報量に、未だ５歳の俺は三日三晩知恵熱に浮かされた
漸く治りきって、更に個性が発言せずに無個性とか言われていたのに個性が突然出現したかと思えば、夢の中に引き摺られてアヴァロンでマーリンと再会という訳だ
「ところで立香、君は“君の最期”を覚えているかい？」
「……覚えてないけど」
「それは良かった！君の最期はなかなかにアレだったからね！なんなら聞くかい？」
「大体想像できたからいい」
その方が良い、とマーリンは笑った
大方背後から殺られでもして封印指定にでもなったのだろう、或いはレイシフト中にキメラに喰われでもしたか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 540人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
饅頭 - もう更新しないのですか？ (2020年12月14日 21時) (
レス) id: d3fe79fcb9 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 続きがとても気になります！面白かったです！！ (2019年8月9日 0時) (レス) id: 54047cc432 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 月兎さん» ありがとうございます^ ^ちょっと執筆が滞り気味ですが、頑張ります！！ (2018年7月17日 18時) (レス) id: c509ccdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - とっても面白かったです！頑張ってください！(ロマニさんがどうなっているのかめっちゃ気になる。) (2018年7月17日 18時) (レス) id: 20543c8800 (このIDを非表示/違反報告)
小豆丸(プロフ) - 奏さん» 応援ありがとうございます！ロマニはそのうちまた出てくるのでお楽しみに〜 (2018年7月11日 15時) (レス) id: e73c005897 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小豆丸 | 作成日時：2018年5月3日 17時
