君のトリセツ (ページ5)

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ﾏﾏ『ダメダメ！愛媛から出るのはダメ！』

『…わかってるってば。』

高校３年生。

進路どうしよっかな。

本当は愛媛を出て、

神戸に行きたい。

神戸にあったんだ。

私にドンピシャな大学が。

絶対に行きたい大学が。

でも愛媛(ココ)から出たら

お母さんに負担がかかるのも重々承知だ。

…愛媛で探さな、

そう思って、大学の資料を眺める。

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信『Aはどこ行くの？』

『…愛媛のどっか、』

信『愛媛から出ないんや、』

『うちの家庭は愛媛ラブだから。』

…実際、

そう言って自分自身に言い聞かせる。

『…信二は？神戸の専門学校なん？』

信『そ、料理すんねん』

『似合わな～(笑)』

信『いや、何を根拠に言ってんの？実際にその目で見てから似合う、似合わん言ってくれん？』

…いいなぁ、神戸か。

なんでだろ、

少し寂しい自分がいる。

よくよく考えてみたら、

神戸に執着しているのって、

信二が行くからなのかも、って。

うわ、気持ちわる。

こんな腐れ縁とは

さっさとオサラバしたいのに。

『信にぃが、』

信『え？』

『信にぃが嫌だから愛媛から出るの？』

信『いや、別に兄ちゃんが理由やないけど』

『…そっか、』

…ねえ、誰か。

この気持ちってなんなんだろ。

もう自分自身も分からんし。

私の取り扱い説明書も持ってる人いませんか？？

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