君のトリセツ (ページ2)

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『…は？なに言ってんの？』

信『だから、課題を第3公園に持って来いって言ってんの。』

『…いま何時だと思ってんの？』

信『22時50分。』

…コイツは馬鹿ですか。

明日も学校だというのに、

“課題を第3公園まで持って来い”

と要求してくる。

『嫌よ、お風呂入ってもう寝るって言うのに』

信『…なんやねん、チケやな』

『信二に言われたくない。』

信二の方が

チロルチョコの１つも奢ってくれない

究極のケチじゃないか。

信『…じゃあAん家行く』

『却下。何時だと思ってんの、』

信『さっき言ったんですけど、ちゃんと覚えとけや』

『…もう切るからね。』

信『あ！おい！待てやッ！行くからなッ！』

______ ﾌﾟﾂｯｯ、

知らない知らない。

自分のことしか考えてない

アイツのことなんか知らない。

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.

…なんて思ってるのに、

部屋を片付けだす自分は何なの？

髪の毛を束ねだす自分は何なの？

参考書とか準備しだす自分は何なの？

よかったね。

私の家が母子家庭で。

しかも、

お母さんが看護師で。

だからこんな夜でも、

迎え入れてあげられるんだよ。

…ん？

“迎え入れてあげられる”

って言った、？

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