嘘 ま み れ の 僕 ら ２

# 3 ページ3

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賢ちゃんのお家に行くと、


“Aちゃん！久しぶりやんなぁ！”


と、優しい賢ちゃんママが迎えに来てくれた。




「賢志郎！Aちゃん来たよ！」

賢 『もー、オカンええて、』


「めっちゃ可愛なって！最近賢志郎がAちゃんの話せんから気になっててん！」

賢 『会う機会なかったからやん』


「前なんか頻繁に遊んでたやないの！」

賢 『あんときは忙しなかったもん』

「まあ、寒いしお家上がって！」




賢ちゃんママと賢ちゃんの会話を聞きながら、


本当に懐かしい気持ちになる。


お言葉に甘えて賢ちゃんの部屋にあがる。




…んだけど、


なんか前と雰囲気が違う。


スッキリした部屋になってた。




賢 『座ってや、って言ってもクッションないなぁ、』

賢 『下から座布団取ってくるわ』


『うち床で平気だよ？』

賢 『だんだんお尻痛なってくんで』




そう言って下に行った賢ちゃん。


1人になった隙に賢ちゃんの部屋を見てみる。


本棚にはラグビー姿の賢ちゃんの写真。


寄せ書きなんかたくさんおいてあった。




賢ちゃんってどこ行っても愛されんねんな。



私の知らない青春時代を賢ちゃんは過ごしていた。


あれだけ一緒にいたのになぁって、


賢ちゃんのことは私がよく知ってたのになぁって


…なんだか少し悲しくなった。




賢 『ごめんごめん、これ使って』

『わざわざごめんね、』


賢 『ええよええよ、』

賢 『俺さ今一人暮らししてて自分の使てたもの持って行ってん、』




…賢ちゃん、一人暮らししてるんだ。


だから最近賢ちゃんの姿見ないんだ。




『どこ？』

賢 『ん？知りたい？』


『うん、』

賢 『笑わんといてや？』




…笑う、？


どういう意味か分からなかったけど、


うん、と頷くことしかできなかった。




賢 『難波。(笑)』

『え？』

賢 『難波で一人暮らししてん(笑)』




難波、って、あの難波よね？


大阪の難波よね？


でも…なんで難波なんやろ…




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