どんな君も愛してる【青】 (ページ24)

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第二十三話ページ24

あみside

『そんな感じ。全然前向きな理由じゃないの。』

妹「何その男！あみちゃんに対してつまらないなんてセンス無さすぎるんだけど！！！」

今にも立ち上がりそうな勢いで怒ってるしゅりちゃん

暗い話になった後なのに、思わず笑いそうになっちゃった

『ありがと、でも本当のことだからさ。学歴も普通、部活も習い事も特に秀でてるものもないし顔もスタイルも特徴なし。おまけに佐藤なんて全国一位の苗字なの。ザ・平凡すぎて笑っちゃう』

もし自分の中に何か誇れるものがあったら、彼に別れを切り出された時に少しは怒れたんじゃないかって思うしね。

妹「…平凡って悪いことなのかな？」

『え？』

妹「今のあみちゃんの言い方だと、平凡な自分を悪いみたいにいうけど私は平凡とか普通を悪いことだとは思わないよ？特別なことを持ってる人が偉いわけじゃない、私はそれをひしひし感じて生きてきてるしね」

じっと私を見つめて諭すように

スッと心に入ってくるしゅりちゃんの言葉には妙な重みがあった

妹「まぁ私はその男に感謝しないといけないかもしれないね。つまんないって言ったことはマジで許せないけど、別れてくれてなかったらあみちゃんと出会えてなかったわけでしょ？」

『そうだね、きっと。SNS始めるきっかけがないだろうから』

妹「じゃあやっぱりそこだけ感謝しなきゃ。あみちゃんと出会えないのはありえないわ、、、えぇ！？泣いてるの！！！」

『…ちょっと歯止めが効かなくって』

こんなに親身になって私のために怒ってくれて、ちゃんと指摘もしてくれて

その指摘のおかげで、私のコンプレックスが少しではあるけど軽くなった気がした

その上で会えてよかったとまで言ってくれるなんて、本当に感動しちゃってもう我慢できなくて…

妹「私泣かせた！？ティッシュティッシュ、、、この箱空なんだけど！お兄ちゃんはなんで空箱を変えないわけ？」

『だ、大丈夫だよ、ありがと、』

妹「おけ、でもどうせお兄ちゃんは変えないだろうから取ってくる、向こうの部屋にあるはずだから｡」

止めようにも止まらない涙を手で拭い続ける私を置いて廊下に出たしゅりちゃん

妹「うわっ！！！」

『！？どうしたの、なんかあった？」

廊下から叫び声がして慌てて外に出たら、固まってるしゅりちゃんとなぜか驚いた顔をしてる渡辺さんがいた