天使が重すぎる 2 (ページ33)

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EP.81 ページ33

あみside

最後のHRも終わってしまえば、校舎街で最後の別れ

私たち4人みたいに、全員関東圏なわけじゃなくて関西に行く人もいれば九州に行く人もいるから至るところで別れを惜しむ声

「村田」

『阿部ちゃん先生、今日も決まってますね』

後ろから声をかけられて振り向けば文化祭の日と同じ髪型をした阿部ちゃん先生

阿部「村田、佐久間にこの髪型が好きって言っただろ。また朝からウチまで押しかけてきて大変だったんだぞ？」

『さすがさっくん。』

阿部「しまいには俺も卒業式行きたい！なんて言い出して。保護者しか来れないっていうのに」

『だよね』

呆れてため息をつくあべちゃん先生

一部の生徒の中では、優しくてあざとい先生なんて言われて人気みたいだけど私の前ではずっとブラック全開

先生絶対こっちが素ですよね？

阿部「まぁとにかく、卒業おめでとう。専門学校行ってもなんかやらかしたら佐久間伝いで確実に俺まで届くからしっかりね」

『うぅ、こわっ』

もちろん何もやらかすつもりはないけど、そんなこと言われると恐ろしい

だって絶対岩本先生の方にもいくじゃんね。三人でよく飲んでるみたいだし

阿部「村田なら大丈夫。立派な美容師になれるよ」

『ありがとうございます。』

それでも最後は優しく力強く励ましてくれる

先生は先生だ

『3人とも、帰ろっか。どっか寄って帰る？あ、それともらいむとめめは2人でどっか行って帰るか』

みんなとも先生ともちゃんとお別れできたし写真も撮れた

3年間お世話になった校舎ともいよいよお別れ

らいむ「あみ、ほんとにいいの？」

『…何が？』

らいむ「何がって、ラウールくんだよ。ほんとにもう帰っちゃっていいの？」

『、うん。』

仮卒期間中、色々考えてはみたものの結局告白する勇気もここから先学校と恋愛をしていく自信もなかった

全てが初めての経験なわけだし

本当はラウールくんが言ってくれるんじゃないか、なんて甘ったるい期待もあったけどそれはなさそう

実際もう卒業式も終わったわけだしね

らいむ「好き、とは言ってくれるんだけどね」

『そうだね』

“好き“とはいうけど “付き合ってください“ とは言わない

『ちょっと期待してたんだけどな』

なんて笑うことしかできないのは諦めきれてない証拠かな