天使が重すぎる 2 (ページ28)

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EP.76 ページ28

あみside

『そういうさっくんは、学生時代彼女はいたんですかー？』

私のことを散々揶揄ってきたさっくんにちょっとだけ反撃

佐久間「、、、佐久間さんは陰キャなんだぞ」

『ピンク髪でよく言うよね』

佐久間「マジなんだって！」

口では信じてないふうを装ってるけど、さっくんが本当は明るい人じゃないってことはとっくの昔に知ってる

前にママが「大介は専門学をトップの成績で卒業したのに、いざ働き始めたらなかなか客さんに指名してもらえないって悩んでたの。その時に、自分の暗い性格を変えるべきなんじゃないかって思ってがんばって今の明るさになったのよ」って、嬉しそうに、誇らしそうに話してくれた

その話を聞いてから、美容師としての技術だけじゃなくて人としてもさっくんを尊敬してる

調子乗るから絶対言わないけど

佐久間「でも真面目なこと言うと、正直恋愛とかしてる暇なかったんだよね」

『ん？どういうこと』

佐久間「前から言ってるみたいにさ、専門学校ってめっちゃ忙しいわけよ。朝から夕方まで授業つめつめなこと多いし、実習もあるから体力的にも結構くるし。色々お金かかるから休みの日はバイト入れたいじゃん。ってなったら恋人と会える時間てめっちゃ少ないと思うんだよね」

『、そうなんだ』

ただ単にさっくんに反撃したかっただけなのに、知りたくなかったことまで知ってしまった気がする

佐久間「友達にも彼女いるやつとかいたけど、学校入ってから全然会えなくなって別れちゃったし。他のやつも会えない間に浮気されてたり、結構大変そうだったわ」

『、、、』

さっくんはただ、自分の周りで起きた事実を並べてるだけなんだろうけど、その事実が今の私にとってはすごく辛いものに感じる

だって、もし私がラウールくんと付き合えたとしても忙しくて全然会えないってことでしょ？

今は同じ学校だし、ラウールくんが定期的にうちの教室にくるから会えてるけどそんなことはもうないんだもん

そしたらさっくんのお友達みたいになっちゃうのかも…

あれ、もしかして私すごい重い人みたいな考えしてない？

付き合ってるわけでもないのに

我に返って少し恥ずかしさが込み上げてくるけど、心の底にできた不安は一向に消えてくれそうになかった