天使が重すぎる (ページ17)

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EP.16 ページ17

あみside

『あぁ、』

3回目の化学準備室

テキストをおろして思わず近くの椅子に腰を下ろす

『無理ぃ…』

弱音も出るわこんなの

ただの係なのにこんなにきついとか聞いてない

もう何回階段を昇り降りしたことか

なのにまだ半分も行ってないなんて、、、

いっそのこと友達の誰かが部活終わるの待っといてそっから一緒に運んでもらおうか

まだ部活終わるまで2時間ぐらいあるけど

『いや、そんなことぐらいなら帰ってしまいたい。』

ふぅ、とりあえず、とりあえずもう一回分運ぼう

そしたらとりあえず半分だもん

『よし！』

パン！って太ももを叩いて気合いを入れて立ち上がる、そしてまた階段を降りる

職員室も前に行ってテキストを5冊…

『わぁっ！？』

持とうとしたテキストが突然目の前に人が立って、びっくりして顔を上げたら目の前には誰かの胸元

さらに顔を上げたら

『ラウール君！』

ラウ「やっほーあみちゃん！」

爽やかな笑顔で片手を軽く上げる

『なんで？部活ないのに』

ラウ「なんか2年の先輩に呼ばれててさ、それでこの時間になったの」

『もしかして、、告白？』

ラウ「みたいな感じ？やめてよっ、照れるじゃん！」

『さすが、、』

入学して数ヶ月で先輩に告白されるなんて相当だよ

てかこっちが照れる様なことはサラッというのに、自分が告白されたことは恥ずかしがるってよくわかんないんですけど、、、

ラウ「帰ろうとしたらあみちゃんのカバン見つけてここで待ってたの。このテキスト運んでんの？」

『そう。鬼の阿部ちゃんからの頼まれごと』

ラウ「阿部ちゃん、って化学の先生だっけ？前めめが成績のことで説教されてたような、、、」

『多分あってるよ。仲良しだから、あの2人』

仲良しっていうか、めめが阿部ちゃんのことが好きっていうか、ね？

ラウ「てかこれめっちゃ重いね、」

『でしょ？もう化学準備室まで三往復したんだけど疲れすぎて倒れそう、』

ラウ「よし！じゃあ一緒に運ぼ！」

『いいの！？』

ラウ「うん！その代わり、帰りは一緒に帰ってくれませんか？」

いつもとは打って変わって顔色を伺う様な聞き方。

『そんなんで良いなら笑』

ラウ「ありがとう！よし！頑張るそ！」

『はやっ！』

両手でこぶを作りながらテキストを取りに行くラウールくんの後ろを慌てて追いかけた