『赤い瞳』 ページ43
.
『っ___!!』
やはり、嫌な予感は当たっていた。
あたりには内臓の肉のような芋虫がうじゃうじゃと車内の壁から生え、
乗客を襲おうとぬめぬめと動いていた。
__なんの血気術か想定できないけど、とりあえず守らなきゃ!!!
刀を構え、型をとり、息をゆっくりと整える。
【炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり!!】
切り終えたのはいいが、まだうじゃうじゃと生えてくる…
【弐ノ型 昇り炎天!】
……やはりこの列車は鬼の身体のようになっていて、
列車自体が取り込まれているんじゃ…
通りで切っても切っても再生する訳だ。
『(だめだ…これ、キリがない…!!)』
炭治郎君は大丈夫だったかな、みんなは起きた?
禰󠄀豆子ちゃんは大丈夫かな
他の車両は___!?
あぁ、もう!周りの状況もよく掴めてないし…連携も取れない!
どうしたら…!!
もやもやと考えていると、触手が乗客の首を掴もうとする寸前まで手が届こうとしていた
『危ない___!』
手を伸ばそうとしたその時、触手に手を掴まれてしまう、
『しまった…!!___ぐっ!?』
手を掴まれてしまった肉は乙力が強く、私の腕がちぎれてしまいそうだ。
もう片方の刀を持っている手で切ろうとするが、また手を塞がれ、
両手が使えなくなってしまった___
『っ__!?』
足を使おうとすると両足も掴まれ、強い圧力でぎりぎりと握られる__
『(やばい、身体がちぎれてしまう…)』
ギチギチ……___
『あ"あぁぁ…!!!』
もうだめ___!!
_
その刹那。
赤い髪がふわりと視界に映る____
【水の呼吸 肆ノ型 打ち潮!!!】
『……!!』
水のように刀が流れ、私の周りに張り付いていた肉を絶った__
そして市松模様のハモリがふわりと私の目の前で舞う。
私を助けてくれたのは___
「大丈夫ですか!?Aさん!」
『炭治郎君……!!』
君の赤い瞳が私を見つめてくれた。
その瞳が、その後ろ姿が
師範と同じぐらい、とてもとても、逞しくかっこよくみえた。
……また心臓がうるさくなる、顔が熱って暑い、
「あの、お怪我は…!!」
『あ、大丈夫…!!』
って!後輩に助けられちゃったじゃない!
だめだ!ちゃんと持ち直さないと!
刀を構え直し、まだまだ生えてくる肉の手から乗客を守ろうとしたその時だった__
ガッタン!!!
大きく電車が飛び跳ね、揺れた。
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にこ - 作者天才すぎる (2022年11月9日 18時) (レス) @page15 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
私だ。(プロフ) - やよい@サブ垢さん» ありがとうございます! (2021年12月7日 16時) (レス) @page1 id: 8fc2f84feb (このIDを非表示/違反報告)
やよい@サブ垢(プロフ) - 私だ。さん» 那田蜘蛛山編辺りです!ページ数忘れましたけど() (2021年12月7日 15時) (レス) id: bc461f0e02 (このIDを非表示/違反報告)
私だ。(プロフ) - やよい@サブ垢さん» ご指摘ありがとうございます…話のどこら辺ですかね……( ⸍ɞ̴̶̷ ·̫ ɞ̴̶̷⸌ )💦 (2021年12月7日 15時) (レス) id: 8fc2f84feb (このIDを非表示/違反報告)
やよい@サブ垢(プロフ) - 御館様が親方様になっていますよ……((ボソッ… (2021年12月7日 15時) (レス) @page4 id: bc461f0e02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涙 | 作成日時:2021年11月25日 16時