一目惚れしたのは継子でした。【竈門炭治郎】 (ページ26)

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私の両親は、私が物心つく頃には父の姿はなかった。

あとで聞いたが、父は母を捨てた＿＿らしい。

母は女で一つで私たちを育ててくれたが、持病でまだ小さい私たちを残して

亡くなってしまった。

そしてその日から姉と村の人たちによくしてもらいながら暮らしていった。

あの日まで私とお姉ちゃんは楽しく幸せに暮らしていた。

きっとずっとこうして暮らしていくんだろうな。

＿＿と思っていた。

ある日、村まで少し遠出して山菜を撮りにいこうとした時だった

「お！Aちゃんじゃないか！」

『こんにちはおじさん！』

「おつかいかい？早く帰らないと人喰い鬼に喰われてしまうぞ？」

『＿＿人喰い鬼？』

「今は明るいから大丈夫だけど、夜になると恐ろしい鬼が人間を襲って喰うんだ。

Aちゃん気をつけろよ？」

おじさんは真剣な表情で注意するが、私は聞く耳を持たなかった。

そして私は冗談だと思い込みにこっと笑った

『おじさんんそんなのいるわけないじゃん！

お姉ちゃんもそんなこと言ったことないもんだ！

じゃあ私山菜取りに行かなくちゃ！じゃあね！』

雷が鳴るとお腹をとられる＿＿みたいな嘘の冗談だとこの時は思っていた。

『よし、ちょっといつもより少ないけど、

こんなもんかな！木の実も取れたし…』

そしてふと空を見上げると赤く染まっていた。

気づけばもう夕方になっていたようだった。

『あ、お姉ちゃん心配させちゃってるかも…お腹すいたし早く帰ろっと』

私がこの時気づかなかった。

鬼がもうそばにいていることに。

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『すっかり暗くなっちゃった、怒られちゃうかな？』

そう独り言を言いながら家まであと少し…＿＿＿の刹那

私は何か言葉にできない嫌な雰囲気を察し背筋が凍った

『(な、なに…？なんか嫌な予感がする)』

私は気づけば家まで無我夢中で走っていた。

なんとくなくお姉ちゃんがすごく心配になって…最悪の場合を想像してしまったから。

ーー人喰い鬼に喰われてしまうぞ？ーー

そんな…まさかそんなはずは…きっと大丈夫だ。

お姉ちゃんがいつも通りご飯を作って待ってくれているはずだ。

きっとそうだ。頭を優しく撫でて優しく笑って＿＿「さ、ご飯食べよ」って…

息を切らしながら家に勢いよく入った。

そして私は最悪の背景を目にいれてしまうのであった。