消しゴムー奇跡ー【実話】 (ページ1)

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１消しゴムページ1

いつものフリースクール。まだ誰もいない。

ツインテールの鮎川愛海は、窓際にすがって外を見ていた。

桜が散っている。

そんな桜を切なく見つめていた。

数分後。学ランの男子が視界の横に入る。

愛海「おはよう。」

「あ…おはよう。」

大野優人くん。

名前と顔しか知らない。

話したこともない。

教室でふたりきり。

話すこともない。

寒さに震え、私はセーラー服の袖から出ていた手を、萌え袖にして、手が冷たい空気に当たらないようにした。

大野くん。寒くないのだろうか。

普通に正しい姿勢で読書をする彼。地味に尊敬してます。あの姿勢。

「愛海！おはよ！大野くんも、おはよ！｣

「おはよ」

元気に入ってきたのは、加藤希海。私の幼なじみ。

希海「昨日のテレビ見た？H〇y! S〇y! JUMPの伊〇尾くんが〜」

愛海「みたみたw」

など、最近のニュースとかそーいう話をいっぱいしていた時、

床に、自分のお気に入りの消しゴムが落ちていた。

私が消しゴムを拾うと、大きさの違いに気づいた。

私の消しゴムより大きいサイズの消しゴムだった。

拾って周りを見ると、近くの席の大野くんと目が合って、「君の？」というと、「うん…ありがと。笑笑」と、笑顔で消しゴムを受け取った。

初めて見た笑顔。

彼の笑顔にたしかにドキドキした自分。

希海「愛海〜？」

希海の声に我に返り、再び彼女と話していた。