【募集企画】柞吹学園【小説】

第25話【流石というべき】*折目美扇視点* ページ25

今年の入学式は、生徒会役員による能力披露と生徒会・各部長によるクイズ大会だそうだ。

私も剣道部部長として出番があるらしい。それまではフリーだが。

「腕がなるな……」


今は生徒会役員による能力披露の真っ最中だが、流石生徒会役員、というべきか。

どの能力もトップクラスの威力を誇る。これには新入生も釘付けだろう。



そういう私の能力は、『水晶創作』という。
読んで字の如く、様々な形の水晶を創り出せるという能力だ。
例えば、硬い水晶のプレートを創り盾として活用したり、水晶で出来た弓矢を創り出したり。
私の気に入りは竹刀だが、まだまだ他にも使用用途は様々だ。

まあそんな能力にも欠点というのはあるもので、一度に創り出せるのは一つだけなのだが。流石に盾と弓を同時には創れまい。


そんな事を考えていると、今度は副生徒会長の披露に移った。切り刻まれた結晶が、儚くひらひらと舞い落ちる。

幻想的な光景に、拍手を返していると、無表情な新入生がいる事に気付いた。

しばしその新入生を注視していると、その新入生は僅かに悲しそうな表情をして視線を落とす。

何か、あるのだろうか。そんな疑問も、次の披露を期待する気持ちにかき消され、心の底に沈んでいった。

第26話【能力披露:白鳥姉弟その1】*白鳥純花視点*→←第24話【感性は人各々】*佐原姫子視点*

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