30. side J ページ31
ジェ「Aちゃん、泣かないで。どうした?」
貴「ジェシーくん、ごめんね。
あのね、サヤとか慎太郎から、ジェシーくんは私のことが好きって聞かされてたの。
でも、そんなこと本当かわかんなかったし、現にもうエリカと付き合ってるし。
勉強会始めた時は、まだ好きな人がいたの。
でも、一緒にやっていくうちにジェシーくんのことも考えるようになって。
4人で一緒にいる時間は1番楽しかったし、話せるのも嬉しかった。
でも、私の気持ちが傾くにつれて、ジェシーくんは離れていったの。
全く話さなくなって、初めて自分の気持ちに気づいた。
エリカと付き合ってるって聞いた時も、廊下ですれ違う時も、ずっと胸が苦しかった。
エリカの幸せなそう笑顔を見る度に、たまに邪悪な心が出てきて。
別れればいいのにって思ったこともあった。
エリカの恋人だし好きになっちゃダメって、諦めなきゃって思ってた。
でももうこの際、相手の気持ちとかどうでもいいやって思って。
嫌われてもいいから、伝えたくなった。
ジェシーくん。私、ジェシーくんのことが好きです。
本当にごめん。悪い人だよね、私。」
Aちゃんは、そのまま夢の世界へ落ちていった。
今日はやけに素直だな、なんて。もしかして、これ熱のせいかな。
次に起きたら、今のこと全部忘れてるのかな。
本音を聞いて、苦しくなった。
思わず下を向くと、膝の上で固く握った拳の上にいく粒かの水滴が落ちた。
なんだよ、なんだよ。俺も結構気持ち押し込めてたんだな。
目元を少し強めに擦ると、決心をして保健室を出た。
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作者名：神咲みあゆ | 作成日時：2018年7月15日 14時
