恋色サイダー (ページ28)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:23,596 hit

27. ページ28

あれから、一ヶ月が過ぎた。

サヤは、時の流れに任せようなんて言ってたけど、

諦められるどころか、もう優吾くんのことなんか考える暇ないくらい

ジェシーくんへの想いは強くなっていく。

たまに廊下ですれ違う度に胸が苦しくなって。

………………………

今日は、いつもより体がだるくて熱っぽかった。

でも、皆勤賞目指してるし、ちょっとやそっとで休むわけには行かない。

休み時間、トイレから戻り教室に入ろうとしたその時。

身体がふらついて、バランスを崩してしまった。

(あ、...やばい。)

意識が飛びそうになる中、衝撃を受ける前に身構える。

「っ、あっぶね。Aちゃん? おい、大丈夫かよ!」

床に倒れる衝撃の代わりに、抱きとめられる感覚と誰かの声がした。

その声の正体を確認する前に、私は朦朧としていた意識を手放した。

それから気がつくと、保健室のベッドの上。

もう夕方だった。

夢を見ていた気がする。

勢いと焦りと、それから、恥ずかしさ。

どんな夢を見たのかはわからない。

だけど、心の中、そんな感情が溶けあうように存在しているのは確かだった。

.