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運命論者の悲み 2 ページ10

「たっだいまー、樋口さん」



ばん、と結婚式の新婦を奪いに来た様なノリで室生はマフィアの一室のドアを開ける。



其処には同僚の、樋口一葉がいた。



「室生さん……何処へ行っていたのです?」

「少々御遣いに」



手短に答えると、樋口は頭にクエスチョンマークを浮かべた。




御遣い、と云ってもマフィアだ。今日の晩御飯の材料を買いに行く訳ではない。




___爆弾と催眠はこの人の管轄だ。



それを知っている樋口は、この人と仲の良い部下の名前を思い出す。



「黒蜥蜴……ですか」

「御名答。で、私はもう一人の御遣いでまた外へ出ますので龍之介さんに宜しくお伝え下さい」




そしてドアが閉じる。



樋口がふう、とため息を吐くとまたもドアがバン、と開く。




「一つ云い忘れていました。
___襲撃には御注意を。では!」





今度こそドアは閉ざされた。




突風の様に行ってしまった彼女に、樋口ははあ、と首を傾げた。




そんな樋口の処に、一報の電話。























電話が終わった後の樋口には、


「黒蜥蜴を呼べ!」


室生の忠告など頭になかった。

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作者名:灘 むしとりあみ+ x他1人 | 作成日時:2016年7月6日 5時

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