+ 拾玖 × 武田 + ページ20
×
旗印戦の開幕から1時間40分 ……… ｡
頑丈なトイレの籠城戦はひとまず成功 ､ 連中を屋上に誘き出す作戦も思い通りに進んでいく ｡
当初の狙い通り屋上を ､ 空を飛んで地上に辿り着く ｡ 逃亡経路が手薄なら俺の勝利は確定も同然と思い始めた矢先 ､ 正門に銀杏ではない生徒の大群が現れた ｡
｢ よし ､ やるか ｣
先に鬱陶しいジャージの連中からと走り出した瞬間 ､ 特進の ､ 本郷ではないもうひとりの女が遮った ｡
確か日下部みやびとかいう ､ 真面目そうな奴だった ｡
｢ 助太刀いたす ｣
｢ は ? ｣
｢ 多勢に無勢を囲む ､ 卑怯千万の所業 …… 私もお相手致します｣
自分も相手になると固い意志と共に武器ような "何か" を連中に向け ､ そう言いきった ｡
凛とした姿だが …… 俺の戦に手助けなど必要ない ｡
｢ お前が成敗 ? 笑わせるな ! ! ｣
｢ 戦をする者が他者を侮辱するなんて …… 笑止千万 ! ! 旗印を掲げたならば相手に敬意を持って臨むもの ､ ｣
｢ へぇー … 随分とかわいー女のコじゃん ? ｣
｢ ……… 然るにあなた方はどういうおつもりですか ? 武田さんの邪魔は私が許しません ､ 絶対に ｣
次いで俺の前に現れたのは肩頬の腫れた本郷だった ｡ 一瞬俺の方を見たが ､ じとりとした澄んだ瞳を向けたのは銀杏の連中ではなく他校の見知らぬヤンキー共 ｡
馬鹿にしたような笑みで本郷を見つめる奴等にふつふつとした怒りの感情を抱いた ｡
本郷を …… お前等如きが見るな ､ 穢い面を見せるな ｡
｢ お前等には絶対に無理だ ｣
｢ 絶対は絶対にない ｣
｢ … 本郷も逃げろ ｣
｢ 逃げません …… 私も戦います ｣
頑固な女ふたりがそう言った直後 ､ 辺りに桜が散る ｡ すぐ側に信長が籠を扇子で叩きながら堂々と歩み寄って来たかと思えば日下部に籠を預けた ｡
｢ おい桜子 ､ みやび …… 唄え ､ 舞うぞ ｣
｢ ｢ …… はい ! ! ｣ ｣
桜を散らした信長は舞いながら敵も蹴散らしていく ｡ 隣で唄う本郷と日下部に合わせ ､ 初めに銀杏の連中が次に他校のヤンキー共が制圧されていった ｡
｢ ｢
ひとつ ､ 舞う桜に包まれて祈るように唄を紡ぐ本郷の姿が綺麗なあまり瞬く間に見惚れていた ｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あめ??(プロフ) - 続きが見たいです！是非続編でもいいので、作っていただけると嬉しいです！ (5月7日 23時) (
レス) @page27 id: 3d269f0d91 (このIDを非表示/違反報告)
静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます！！！続きが見たいです！！ (9月25日 9時) (レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです！頑張ってください楽しみにしてます！！ (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十日夜香耶 | 作成日時：2022年9月25日 0時
