+ 拾 + ページ11
×
暫定的に特進のマドンナと認識されている桜子の存在に気づいたのは秀吉だった 。
「 桜子ちゃんやん ♡ おはよーさん ! ! 」
「 おはようございます 、 豊臣さん 」
女の子に目がない秀吉にとって桜子は特別なようで 。 彼からのハートマークを飛ばした挨拶にも優しい微笑みを返され 、 彼等の中で好感度はまた急上昇した 。
「 あの 、 みやびさんは ? 」
「 あー日下部なら保健室だと思うが 、 」
「 ! 怪我をされたのですか … ! ? 」
「 そうじゃねぇ … 信長が本多と喧嘩して保健室行ったのを日下部が追いかけたんだよ 」
「 大丈夫でしょうか … 」
「 心配しすぎやって桜子ちゃんは …… 銀杏に 、 特進に
優しい彼女は心を痛めながらも強く喧嘩に口を出す気はないようだった 。
「 おい本郷はいるか 」
「 はい ? 」
「 独断だが学級委員長を日下部 、 副学級委員長をお前に決めた 。 理事長に就任の挨拶してこい 」
相も変わらず厳つい担任の肉山は手短に話を済ませ 、 教室を出て行った 。
唐突の出来事によって静まり返った空間 。 当然の如く視線はアワアワとする桜子に集中した 。
「 私が 、 副学級委員長 ? 」
「 良いじゃないか 、 独断というのがまた …… 担任からの信頼の証のようで … っ 」
「 黒田
「 ハハ 、 災難だな 」
「 面倒押し付けられてカワイソー 」
「 …… 理事長室に行って参ります 」
可憐な紅一点が慌てふためく様子がいっそう可愛らしく感じてイジワルした男子高生達だったが 、 桜子は一言告げて教室を出て行ってしまった 。
「 黒田がイジワルするから拗ねちゃったんちゃう ? 」
「 俺だけじゃないだろ ? なぁ前田 」
名だたる不良達が揃いも揃ってひとりの少女に絆されているなんて異様だと黒田は感じた 。
「 っ 、 それより本郷はひとりで理事長行けんのか ? 」
「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 あ 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」
心配する前田の言葉と共に扉が開き 、 可愛いらしい顔で困惑した桜子が立っていた 。
「 理事長室ってどこですか … ? 」
名前と同じ桜のように可憐な彼女に興味が唆られる自分も大概だと黒田は思った 。
116人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます!!!続きが見たいです!! (9月25日 9時) (レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです!頑張ってください楽しみにしてます!! (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:十日夜香耶 | 作成日時:2022年9月25日 0時