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少女と男の間に割り込んだ影があった 。
制服からして特進クラスのようで 、 白いフードが特徴の爽やかな青年だった 。
彼は少女を庇うように立ち 、 こう言った 。
「 この子から手を離せ 」
──── と 。
一言で男達が手を引くはずもなく 、 気味の悪い笑みを浮かべ 、 少女の腕を掴む手に力を込めてくる 。
「 テメェには関係ねぇだろうが ! ! 」
「 お前も特進かよ 、 ってか女助けて王子様気分か ? 」
「 間に入ってきてよォ ……邪魔してんじゃねぇよ ! 」
「 調子乗ってンじゃねぇ ! すっこんでろや ! ! 」
が 。 直後 、 その男は腕を捻り上げられていた 。
誰に 、 って少女を助けた白いフードの青年にである 。
「 っ" い" 、 テッ … ! 舐めたことしてンじゃねぇ ! ! 」
「 あ 、 っ … ! 」
「 大丈夫 、 僕から離れないで 」
激昂した大勢の男に殴りかかられた白いフードの青年はそう短く少女に告げた 。
そして左手で少女の手を握り 、 右手で襲いかかる男達を悉く返り討ちにしていく 。
「 急いだ方が良さそうだな …… 君 、 走れる ? 」
「 はっ 、 はい …… ! ですがこの方々は 、 」
「 じゃあ行こうか 」
真っ白な歯を見せて笑った白いフードの青年は入学式の会場であるホールに向かって走り出した 。
手を繋ぐ少女も連れられ 、 まるでふたりは風になったようにアスファルトを駆け抜けていく 。
「 まっ …… ! ! 」
「 もう少しだから頑張って … ! あれは …… 伊達 ! 」
「 上杉 … ? どうした 」
「 急いでホールに向かった方がいい 」
白いフードの青年は後方に視線を向け 、 眼帯の青年に含みのある眩しげな笑みを浮かべた 。
状況を察した様子の眼帯の青年は少女の左手を引き 、
「 え 、 っ ! ? あの 、 っ 」
「 喋るな 、 舌を噛むぞ 」
「 っ 、 」
「 安心して 、 君のことは僕が守るからね 」
「 上杉 …… この私を巻き込んでおいて呑気にラブコメをしている場合か ? 」
あれよあれよという間に低い怒声は遠ざかっていき 、 少女は助けてくれた白いフードの青年と眼帯の青年と共に無事に賑わうホールへと足を踏み入れた 。
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静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます!!!続きが見たいです!! (9月25日 9時) (レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです!頑張ってください楽しみにしてます!! (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十日夜香耶 | 作成日時:2022年9月25日 0時