検索窓
今日:27 hit、昨日:12 hit、合計:23,354 hit

+ 弐 + ページ3

×



少女と男の間に割り込んだ影があった 。
制服からして特進クラスのようで 、 白いフードが特徴の爽やかな青年だった 。

彼は少女を庇うように立ち 、 こう言った 。



「 この子から手を離せ 」



 ──── と 。
一言で男達が手を引くはずもなく 、 気味の悪い笑みを浮かべ 、 少女の腕を掴む手に力を込めてくる 。



「 テメェには関係ねぇだろうが ! ! 」

「 お前も特進かよ 、 ってか女助けて王子様気分か ? 」

「 間に入ってきてよォ ……邪魔してんじゃねぇよ ! 」

「 調子乗ってンじゃねぇ ! すっこんでろや ! ! 」



が 。 直後 、 その男は腕を捻り上げられていた 。
誰に 、 って少女を助けた白いフードの青年にである 。



「 っ" い" 、 テッ … ! 舐めたことしてンじゃねぇ ! ! 」

「 あ 、 っ … ! 」

「 大丈夫 、 僕から離れないで 」



激昂した大勢の男に殴りかかられた白いフードの青年はそう短く少女に告げた 。
そして左手で少女の手を握り 、 右手で襲いかかる男達を悉く返り討ちにしていく 。



「 急いだ方が良さそうだな …… 君 、 走れる ? 」

「 はっ 、 はい …… ! ですがこの方々は 、 」

「 じゃあ行こうか 」



真っ白な歯を見せて笑った白いフードの青年は入学式の会場であるホールに向かって走り出した 。
手を繋ぐ少女も連れられ 、 まるでふたりは風になったようにアスファルトを駆け抜けていく 。



「 まっ …… ! ! 」

「 もう少しだから頑張って … ! あれは …… 伊達 ! 」

「 上杉 … ? どうした 」

「 急いでホールに向かった方がいい 」



白いフードの青年は後方に視線を向け 、 眼帯の青年に含みのある眩しげな笑みを浮かべた 。
状況を察した様子の眼帯の青年は少女の左手を引き 、



「 え 、 っ ! ? あの 、 っ 」

「 喋るな 、 舌を噛むぞ 」

「 っ 、 」

「 安心して 、 君のことは僕が守るからね 」

「 上杉 …… この私を巻き込んでおいて呑気にラブコメをしている場合か ? 」



あれよあれよという間に低い怒声は遠ざかっていき 、 少女は助けてくれた白いフードの青年と眼帯の青年と共に無事に賑わうホールへと足を踏み入れた 。

+ 参 +→←+ 壱 +



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
116人がお気に入り
設定タグ:新・信長公記
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます!!!続きが見たいです!! (9月25日 9時) (レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです!頑張ってください楽しみにしてます!! (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:十日夜香耶 | 作成日時:2022年9月25日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。