ウロボロス (ページ9)

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八話ページ9

滝川の部下達を締め上げた俺はとある地下駐車場に来ていた。

向かう途中イクオへ連絡は入れておいた。

一緒にいるであろうAへの伝言と共に。

先に着いた俺はイクオが来るの静かに待った。

しばらくすると後ろから微かに足音が聞こえた。

段「おせーよ」

龍「ごめん、たっちゃん」

段「Aは？」

龍「伝言ちゃんと伝えたよ。大人しく事務所戻ったと思う」

段「そうか。じゃあやるか....」

イクオと俺、二人で決めていた。

Aを現場には連れていかないと。

復讐に加担させるのも嫌だったが、彼女の強い意志により情報収集をしてもらうことにしたが、殺しには絶対に加担させないと。

しばらくすると、駐車場の方から声を荒げている人物が現れる。

視線の先には苛立った様子で部下の迎えを待っている滝川の姿。

段「行くぞ」

俺達は滝川のところへ足を進める。

その直後、2発の銃声が駐車場に静かに響き渡った。

そして、2人は言葉を発することなくその場を後にしそれぞれの向かう場所へ。

深「おかえりなさい」

車の前で待っていた深町は頭を下げ車の戸を開けた。

車内は重々しい雰囲気で溢れていた。

事務所に着くと心配そうな表情をしたAが待っていた。

今すぐにでも抱きしめたい衝動を必死に抑え、2人きりになれるよう深町達へ事務所を出る様指示する。

そして俺達はいつものように静かに肌を重ねた。

自分の消えかけていた温もりを求めるように。

俺はずっと、結子の面影を追い求めて生きてきた。

Aの事は家族みたいに大切にしていたつもりだった。

それが、いつの間にか家族じゃなく....、1人の女として気になり始めている自分がいる。

復讐に関わらせたくない気持ちと、俺のそばから離れないでほしいという思いがせめぎ合っている。

正直、こいつの事となると自分がブレる気がして癪だった.....。

でも、愛おしいと思える唯一の存在だ。

なんて事を考えながら眠るAの顔を撫で上げた。

その頬を伝う涙を拭き取るように。