六話 ページ7
そんな2人を後にし、西田さんの亡くなった駐車場の防犯カメラの映像確認をしに向かった。
菅「あぁ...、バッチリ写ってますね」
管理人から見せてもらった映像には、車上荒らしをしている男の姿が写っていた。
龍「あっ、こいつ。沢渡だ！こいつまだこんなことっ....」
その画面には見たことのある男が映り込んでいた。
日「常習犯ですか？」
龍「一年前にも捕まえた。最近では四谷あたりにシャバ替えしたみたいだけど」
日「あ、ちょっと止めて下さい。今のところ巻き戻して貰えますか？」
管「はいっ」
何かに気がついた様子の日比野さん。
日「時刻は0時24分。これって自さつした西田さんの死亡時刻とほぼ同じですよ」
龍「じゃ....、西田さんが落ちてくるのを目撃したかもしれないって事...？」
日「この男をしょっぴけばその時の状況も詳しく分かるかもしれません」
龍「でも、日比野さんは自さつだと思ってるんでしょ？」
日「万が一って事もありますから。四谷の方にも連絡して足取り追いましょう」
ゆきなちゃんのお陰なのか少し考えを変えてくれた日比野さんについ口角が上がる。
こうして2人は、沢渡の居場所を掴み、話を聞くため捕まえようとするも違う事件の犯人を捕まえた為に逃げられてしまう。
日比野さんを怒らせてしまった僕は、1人でいつもの"新宿キッチン"へご飯を食べに来ていた。
新宿キッチンにていつものオムライスを注文する。
男「あのぉ、このお店のメニューおかしく無いですか？」
カウンター席に1人難しそうな顔をしながら座っていた男性がイクオへ話しかけた。
龍「え？」
男「いやぁ、統一感が無さすぎるから。本日のおすすめもサバの塩焼き、トムヤムクン、マルゲリータピッツァ」
龍「ここ、そういうお店なんですよ。ね？かおるちゃん」
か「うちは場所柄、職業、性別、年齢バラッバラなんで」
店員のかおるちゃんが答える。
男「ちなみに、君は何を？」
か「イクオさんはいっつもオムライスセットですよねぇー」
龍「絶品ですよ、ここのオムライス。おすすめです」
男「オムライスか、なんだかアットホームだな」
龍「あ、それうちの同僚が同じこと言ってました」
今朝、日比野さんと死ぬ前に食べるなら何がいいかと話した時のことを思い出していた。
_ブゥーブゥー
携帯が鳴り、何とも最悪の知らせが入った。
頼んだオムライスをさっきまで話していた男性へ渡し、明応大学病院へ走った。
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作者名：翠晶 | 作成日時：2022年1月5日 0時
