ウロボロス (ページ5)

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四話ページ5

残った深町さんは頭を下げて本題に入る。

深「すいません。Aさんに頼まれてた件ですが、こいつが半田組の滝川です。連中の資金源は中国から密輸した拳銃で間違い無いですね。このご時世に物騒なしのぎに手ぇ出してやがります」

深町さんは一枚の写真を竜也へ手渡した。

それを私も覗き込んだ。

段「扱いづらいが、ハイリスク、ハイリターンだからな」

深「確かに。サツの目を誤魔化すためにフロント企業の倉庫にその物を隠してあるって話です。.......、もしかして滝川をやるんですか？」

竜也の鋭い眼差しが深町さんを突き刺す。

段「やらねぇよ。俺は平和主義のインテリヤクザだぞ」

深「それも嘘なんですね、きっと」

竜也の手から写真が放り投げられる。

ゆっくりと宙を舞い、虚しくも地面へと落ちる。

段「やらねぇ、少なくとも今はな」

深町さんは何か言いたげな様子を残し部屋を去った。

私「今は、ねぇ....」

意味深な返答をつい私も口にしていた。

段「メシでも行くか」

私「オムライスね」

段「ふっ、あぁ」

私たちは、まるでお互いの心が見えているかのようにだった。

幼少期から一緒にいるせいなのか、それとも私が彼に特別な感情を抱いているせいなの....。

分からないが、見えない何かで、深く、深く....、繋がっている事に変わりはないであろう。