二十四話 ページ25
Aの家を出て、いつものオムライスを食べにいつも店へ行く。
いつものようにオムライスを食べていると、店のテレビから未解決事件特集が流れてくる。
そんな特集を流し聞きながらオムライスを胃へ押し込む。
深「竜也さん、そろそろ行かないと総会に遅れます」
段「おぉ」
深「今日は本家の姐さんの誕生日パーティーもも兼ねてるんで、粗相すると周りの目が厳しいもんで」
段「おぉ」
深「後、竜也さんの指定していたエルメスのクロコのバーキンプレゼントで用意しておきました」
段「深町、お前ほんと使える奴な。ベストオブ片腕。一家に一台っ感じだな」
深「よして下さい。改まって」
段「よし、行くか。おやっさん、今日も美味かったよ。やっぱここのが一番、卵もチキンライスも完璧」
お「旦那、今日何となくご機嫌ですね」
深「今週は褒めるキャラで行くと」
後ろでそんな会話がされてる事などお構いなしで車へ乗り込む。
携帯を開くと情報屋の御子柴から連絡が入っていた。
"20年前の事件に関する情報を掴みました。今夜12時に、うちの事務所で"
そう書かれたメールが届いていた。
そして、別の携帯を出し電話をかけた。
段「おぉ、イクオか。今日時間が出来たらAの所寄ってやってくれ。あぁ。頼んだ。」
イクオに連絡を入れ終わるとちょうど深町が戻ってきた。
一日中の業務へと取り掛かる。
夜__約束の時間に、御子柴の事務所を訪れたが、中は荒らされていて彼も刺された状態で倒れていた。
段「おいっ、しっかりしろっ」
御「たつやさん.....、金...時計.....。あれ....、やばい.....。手ェ引かねえと....あんた...ころさ...れる....」
虫の息だった御子柴はそれだけ言い残すと息を引き取った。
何か情報は無いかと辺りを見渡し、彼の小指の義手が目に入った。
外してみると、案の定紙切れが1枚隠されていた。
"
走り書きで書かれたその文字を読み上げ、懐にしまった。
段「はぁ.....」
何か掴めそうになると消えていく。
この喪失感と、もどかしさに思わずため息が漏れる。
Aに会いたい。
その思いから、気がつけば車を彼女の家へと走らせていた。
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作者名：翠晶 | 作成日時：2022年1月5日 0時
