二十一話 ページ22
石森さんは相変わらずニヤニヤと不気味な笑顔を浮かべていた。
石「なぁ、龍崎さんよ。警察っては美味しい職業なんだよ。身内が起こした事件には甘々で、いくらでも闇に葬れるし。どんな巨悪犯罪だって俺らが事件化しなかったら無かったことになる。俺たちは特権階級なんだよ。お前も俺と一緒にその特権て奴を味わおうじゃないか。それとも正義なんてやつを信じてここで死ぬか？」
結子先生の事件が頭をよぎった。
彼女の笑顔が.....、それを奪ったのは石森さんの様な警察関係者.....。
龍「あんたは奪ったんだ、かけがえのない家族を。.....あんたは、許されない事をした」
石「そうか....、じゃあ死ねぇぇえ！！」
撃たれそうになると、静かな路上にバイクの大きなアクセル音が鳴り響いた。
驚いた石森さんはそのバイクは向かって発砲するも、音はアクセルの音でかき消されてしまう。
その隙に僕は石森さんにキレのある蹴りを喰らわせ銃を弾き飛ばす。
段「まだ殺しちゃいねぇよな」
龍「うん、まだ聞かなきゃいけない事があるし」
たっちゃんの登場により、さらに困惑する石森さん。
石「何なんだよ....っ」
段「ウロボロス....、2匹の龍だよ」
石「ウロボロス....？」
先程弾かれた銃に手を伸ばすも、たっちゃんによってそれは阻まれてしまう。
段「もう少し付き合ってくれよ。あんたには滝川と違って聞きたいことがあるんだ」
石「滝川、まさかお前2人が...っ！？」
質問をしようとする彼の頭を地面へと押し付け、銃を突きつける。
龍「質問はこっちがするんだ。もみ消しにでっち上げ、自分の利益のためなら何でもやるあんたみたいな悪徳刑事なら知ってるかもしれない」
石「俺に何を...」
龍「20年前、霞海岸の近くにあったまほろばという児童養護施設で殺人事件が起きた」
段「現場から逃げた4人の男は今も見つかってねぇ。それどころか事件ごともみ消されちまった。その手の裏話には詳しいだろ悪徳刑事」
石「そんな昔のことっ!?」
知らないと言おうとする石森さんを引きずり起こし銃を向ける。
龍「なら、その事件をもみ消した金時計をつけた刑事のことは？」
石「金時計...？」
段「顔色変わったぜ」
あからさまに顔色が変わった。
石「しっ、しらねぇ！！」
段「だってよ、どうするイクオ」
龍「じゃあ、始末しよう」
石「ちょっ、ちょっと待て！自首する！罪をちゃんと償うから！」
冷や汗を流しながら必死に懇願する。
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作者名：翠晶 | 作成日時：2022年1月5日 0時
