ウロボロス (ページ19)

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十八話ページ19

何だかよく分からない連絡がイクオから入ったが、その後音沙汰が無く真意を確かめる術がなかった。

Aが帰って来ないし、連絡もつかない事が気に掛かり部下を使って足取りを追わせていた。

その報告を待ってる最中、イクオから連絡が入った。

龍「たっちゃん！！撃たれたかもしれないっ！！」

走っているのか、息が絶え絶えの中で放たれたその言葉は脳内で鮮明に再生された。

理解すると同時に身体が冷えていくのを感じだ。

段「ッチ、こっちで急いで探す！お前四谷北署の石森についてなんか知ってるか？」

龍「えっ、石森さん...？」

段「知り合いか？」

龍「うん....、この間新宿署に来た。あの人沢渡の事追ってた.....。しかも薬もやってると思う.....」

段「ふっ、そうか...。話が繋がった。取り敢えずAを探すのが先決だな。なんかわかったら連絡くれ」

龍「うん....」

その晩、彼女の足取りも、それらしき情報も何も掴めず朝を迎えた。

自分を落ち着かせる為にタバコに火をつける。

そこへ、一本の連絡が入った。

段「っ！？A！今どこだ！？」

普段よりも低い声で電話口の彼女へ話しかける。

私「ちょっと色々あって...、今から事務所戻ります」

段「迎えをやる、場所教えろ」

私「....、じゃあお言葉に甘えようかな」

俺はAから居場所を聞き出すとすぐさま車を走らせた。

イクオにもAの無事を知らせると、良かったぁと電話越しでも分かるくらいにほっとしていた。

指定された場所に着き辺りを見渡した。

ビルの陰でお腹を抱え、壁に寄りかかってる彼女を見つけ
慌てて駆け寄った。

段「っ、怪我したのかっ」

青ざめた彼女の姿に俺は思わず息を飲んだ。

私「ちょっとかすっただけ。手当もしてもらったしもう大丈夫」

段「誰に？」

私「この近くの闇医者さんに。通りがかって見つけてくれたの」

段「そうか」

処置もされている様で一安心した。

歩けそうにないAを横抱きし車へと担ぎ込んだ。

私「ちょっ！？だ、大丈夫だよ！歩けるから！！」

予想外の行動に、Aの青ざめていた顔はほんのりと色付いた。

段「黙ってろ」

そう一喝するとAは黙って腕にしがみついた。

車に乗り込むとすぐさま唇を奪う。

Aの必死の抵抗も虚しく、俺のペースに飲み込まれて行く。