十四話 ページ15
人通りの多い街中で俺はイクオと会っていた。
情報共有をしていた。
お互いが話していることがバレないよう、背を向けながら話す。
龍「それが、本当なら....」
段「知ってるかも知れねぇ、俺らが追いかけてる奴のこ
と....。やっと辿り着ける。腹括れよイクオ」
龍「わかってる。そういえばAは？」
段「ちょっと別件でな」
龍「たっちゃん......、Aをどこまで関わらせるの？万が一何かあったら俺.....」
イクオの声は震え、今にも消えてしまいそうなほどか弱くなって言った。
段「そん時は俺が盾でもなんでもなって守ってやるよ」
あいつを失うなんて、今の俺には想像も出来なかった。
龍「それはもちろん僕もだけど.....。てか、その荷物何？」
段「お前に頼もうと思ってたんだが、無理そうだな....」
イクオに近づいてくる人影を察知し直ぐにその場を離れた。
日「龍崎さん、まだ業務時間中なんですけど」
龍「ごめん、沢渡居ないかなぁって」
日「こんな人通りの多いところに？....、聞き込み行きますよ」
イクオは日比野に腕を掴まれひきずられていった。
段「新しい相棒か....、本当尻に敷かれてんのな」
連れられて行くイクオを見て懐かしむような笑みを浮かべる。
ポケットから携帯からを出しAへかけた。
段「頼みたい事がある。イクオに頼みそびれた。あぁ、今から事務所戻る」
待たせていた深町の所へ戻り車へ乗り込むとそのまま事務所へと足を運んだ。
私「おかえりなさい」
いつもの笑顔で迎えてくれるAに思わず笑みを浮かべそうになった。
段「あぁ。これ、あの娘のとこに持ってってやって欲しい。俺が行くよりAの方がいいと思ってな」
深町に買わせていた物をAへ手渡した。
私「はい。もう目を覚ましたんでしたっけ？」
段「いやまだまだ。今しか行けないだろうから。後深町、お前にも頼みがあるんだが」
深「はい」
段「こいつを調べて欲しい」
そういい一枚の写真を胸ポケットから取り出した。
深「かしこまりました」
深町は一礼し事務所から出ていった。
私「じゃあ、私も行ってくる」
段「あぁ」
Aを見送ると部屋へ戻りタバコに火をつけた。
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作者名：翠晶 | 作成日時：2022年1月5日 0時
