10話 ページ11
〜丑嶋〜
俺は戌亥を連れて事務所へ戻る事にした。
柄「社長！お疲れ様です！！」
事務所の皆が立ち上がる。
戌「よっ、久しぶり〜！」
『えっ！？戌亥くん....？』
久しぶりの幼なじみの姿にあみは口をパクパクさせて驚いている。
マ「え、え？誰っすか？」
一人状況が読み込めないマサルはキョロキョロと周りを見渡した。
高「戌亥さんだ。社長の幼馴染で情報屋としてもお世話になってる方だ。」
マ「へぇー....。」
戌「久しぶりだね、もう会えないかと思ってたからすごく嬉しいよ。」
『さらっとキザなセリフ言う所変わってないねっ。私も会えて嬉しい....。』
あみは少し涙目になっていた。
二人の会話を聞きながら俺は自分の椅子へ座る。
戌「明日良かったら出かけない？募る話もあるし。息抜きに。いいよね、丑嶋くん？」
戌亥と視線が合う。
丑「.....、あぁ。」
『っぇ、いいの...？』
意外な返答にあみは恐る恐る聞き返した。
丑「行ってこい。お前はもう自由なんだから。」
「自由」と言葉に彼女はあの頃の記憶を蘇らせたのか自分の腕に爪を食い込ませていた。
それにいち早く気がついた戌亥は優しく彼女の手を握った。
戌「明日楽しみにしてるから。携帯貸して。連絡先登録するから。」
『っあ、うんっ。』
連絡先を交換すると戌亥はそそくさとカウカウファイナンスを後にした。
丑「マサル。ちょっと来い。」
マ「はいっ。」
マサルは机の前まで小走りで向かってくる。
何も言わず通帳の束をマサルの前へ置く。
マ「こんな沢山の通帳どうするんすか？」
丑「売るんだよ。」
マ「売る....？」
マサルの頭の上にははてなが浮かんでいた。
その姿を席からそっと覗いているあみ。
丑「あぁ。どれいくんの名義で作った足のつかない口座だ。こういうの欲しがる悪い奴がいっぱいいんだ。....、業者に渡してこい。」
マ「はいっ。」
恐る恐る通帳の山を手にするマサル。
『ねぇ、私も行ってもいい？』
丑「だめだ。」
席から立ち上がったあみの提案を秒で却下した。
『はぁい....。』
しょんぼりした様子で座り込むあみの姿を横目にマサルは業者の元へ向かった。
丑「あみ、帰るぞ。」
『あ、はいっ！』
俺の言葉に慌てて身支度をし始める。
『お疲れ様でした！』
元気に頭を下げて俺の後を追ってくる。
そんな姿を事務所に残ったメンツは微笑ましく眺めていた。
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由良の門を - 社長こんなかっこよかったっけ？主人公ちゃんを大切にしてる感がめちゃ好きです♪頑張ってください！！ (11月5日 0時) (
レス) @page13 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - しおらんさん» 読んでいただきありがとうございます...！頑張りますので最後までお付き合い頂けますと幸いです！ (2022年4月17日 6時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く好きです！マサルも…好きすぎる…。完結まで頑張ってください！！ (2022年3月23日 22時) (レス) @page31 id: d42d8a020d (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - めいさん» ありがとうございます！！ゆっくりの更新ですがちゃんと完結できるよう頑張りますので最後までお付き合い頂けると幸いです！！ (2021年8月31日 13時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 好きな作品で読んでいてすごく面白く続きが気になります。更新頑張ってください (2021年8月30日 21時) (レス) id: e56d417d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠晶 | 作成日時：2021年1月8日 21時
