四話 ページ5
回診を終えナースステーションを通りかかると天堂くんの怒鳴り声が響き渡っていた。
私「....なんかあったの？」
こっそりと看護師の石原さんに聞いてみた。
石「酸素投与失敗しちゃったらしいです。」
私「それで、お怒りなのね...。」
ため息が出そうになるのを堪えた。
石「後でご機嫌取りしといて下さいね。」
ニヤリと私を見る石原さん。
私「え、私ですか....。」
石「あみ先生にしか出来ないですから。」
私「クリームパンでも買いに行きますか....。」
石原さんは肩を下げる私をみてため息をつく。
石「そういう事じゃないんですけどね。」
そんな呟きは聞かなかったことにしてナースステーションを出た。
執務室に戻ると来生くんが居た。
私「お疲れ様ー。」
来「お、お疲れー。元気ないね？」
彼にはなんでもお見通しらしい。
私「あの新人ちゃん、みのりに似てるよね。」
私の言葉に来生くんの動きが止まった。
来「そう？まぁ、確かにピュアで真っ直ぐな所は似てるかもね。」
朝の告白のシーンを思い出しているだろう笑みを浮かべていた。
こっちは憂鬱だというのに。
コーヒーを入れ自分の席座る。
来「ねぇ、いつまで片想い続けるの？」
突然の質問にコーヒーを吹きそうになった。
私「ゴホッ、何急に....。」
いつになく真剣な表情の来生くんに少し戸惑った。
来「天堂の事で思い詰めるあみをいつまでも見ていたくないからさ。」
私「私はっ.....。」
返す言葉を一生懸命探していると執務室の扉の方から声がした。
天「おい、なにしてる。」
不機嫌マックスの天堂くんが立っていた。
来「なに、イライラしてんだよ。」
天「なにしてると聞いたんだ。」
来「何って、話してただけだよ？」
納得いかない顔で私を睨んだ。
天「お前たちはいつも近過ぎる。」
来「なに、妬いてるの？」
私「ゴホッ！！」
来生くんの言葉にまたもやコーヒーを吹きそうになった。
天「バカか。」
ですよねー。なに期待してんだか。
来「俺、あみの彼氏候補に立候補しようと思って。」
私「んっ！！？」
さりげなく肩を組んでくる来生くん。
天堂くんが鋭い眼差しを私に向ける。
私「いや、違うからね？？」
天「勝手にしろ。業務に支障がなけりゃいい。」
それだけ言うと視線をパソコンに落とした。
さっきからなに期待してんだろう、私。
彼が私に振り向くなんて事、きっと一生無いであろうに。
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翠晶(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！！ (2020年3月11日 20時) (
レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 翠晶さん» とても素敵なお話でした…!! ありがとうございました！ これからも作品、応援してます！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 12651b5551 (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - ayaさん» 最後の一話分だけアップが遅くなってしまい申し訳ありません！！お気に召して頂ければ幸いです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年3月8日 22時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 翠晶さん» ありがとうございます！！！ とても素敵なお話…。感謝です！！ (2020年3月7日 23時) (レス) id: 12651b5551 (このIDを非表示/違反報告)
翠晶(プロフ) - ayaさん» いつも読んでいただきありがとうございます！！リクエスト承知しました！！明日には載せられると思いますので是非読んでください^_^ (2020年3月7日 21時) (レス) id: 4b3f971a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠晶 | 作成日時：2020年2月15日 21時
