続編: 春風が吹いた ［七尾太一］

54.今度 ページ5

七「Aちゃんの風邪がうつったからさっき花ちゃんも顔が赤かったんじゃないんスか？」




「え？あ、ああ、そうかもしれない...」




今日はやめよう。
また今度にしよう。

きっとすぐには信じられないだろうし、こんな告白みたいなのをされた後に本当のことを話すなんて





「えっと...」



七「Aちゃんにお大事にって伝えて欲しいっス！」


「あ、うん！わかった！」




私がそう言うとニカッと笑って家まで送るっスと言う。




なぜかその七尾くんの笑顔がキラキラして見えた





「....あ、ありがとう」



心臓がうるさい、ドキドキして



七尾くんに心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい大きな音をたててる。




少し前を歩く七尾くんの背中を眺めながら、口が勝手に動いてた




「.....好き」



ハッとして、自分の今の発言はまずかったと思う





だって、下手したら花が七尾くんのことが好きって勘違いされてしまう。





でも、今の...




「私、好き、なの...？」




七「？どうしたんスか？」




「え？ううん！何も！」





そんな、まさか






ああ、なんだろうこの気持ち




切なくて、もどかしくて、でも、



「あったかい...」



七「風邪ひかないようにっスよ！」






「...うん」




ああ、私

七尾くんのことが好きなんだ。





まだ、本当のことを話してないから


この気持ちも、伝えることはないけど、





本当のことを伝えたいその時は、




''私も好き''って、言いたいと思う。






それまで.まだこの気持ちも秘密にしておこう____





___end___

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