下剋上その15 ページ16
「悟様〜!!どこにいらっしゃるのですか〜!!!」
屋敷の方からそんな声が聞こえ、クソガキは「げ」と声を出した。
どうやらこのガキお付きの使用人らしい。
あーあ、コイツ五条家の名に泥を塗ったな、バカめ。
…と、言いたいところだが、そういや五条家の看板はコイツのものだったな。
自分の顔に泥塗っただけか。
「クソっもうバレたか!アイツら話に夢中になってたはずなのに…!」
『ま、頑張ってね。私見つかったらやばいから、バイバイ』
「はァっ?!なんでだよ!俺の味方してくれねーのか?!」
そう言って立ち去ろうとする私の手を掴んで引き止めるクソガキ。
味方なんてするわけねーだろ!私は私の保身が大事なんだよ!一にも二にも立場の弱い私にとって保身は重要!
いいかクソガキ!大人ってのはこういうもんだ!!!
『自分でおこした火は自分で後始末するのが常識でしょ?他人を巻き込まないで』
「チッ…このクソ女!アバズレ!俺よりブス!もう遊んでやんねーからな!!」
『いや一回たりとも遊んだことないでしょ……っつーかオマエブスっつったか?私のことブスっつったか?』
「事実だろ」
『よし殺す』
クソガキが容赦しねえぞ。
怒りに任せ私はクソガキの胸倉を掴む。そして拳を握り締め───それを振りかざすこと無く腕を下ろした。
理由は普通に、いくら私でも子供に手を上げるのは気が引けたからだ。というかディスられたから殴るって、どっちがガキだって話だからね。
私は拳を固めた手を解き、クソガキのムカつくほど白くて柔らかい頬をつねった。
「いった!!離せよ!!」
『ヤーダね。ごめんなさいって言うまでやめな』「───悟様っ!」『あっ』
その時、私がここを立ち去ってでも起きて欲しくなかった出来事が起きる。
私とクソガキの元に五条家の使用人がやってきてしまった。
それも、私がクソガキの頬をつねっていた時に。
使用人はクソガキから私を引き剥がすと、素早い体さばきで私に組技をかけ動きを封じる。
思わず「アッパレ」と言いたくなるぐらいに上手い組技だった。
「悟様っ!ご無事ですか?!」
『ッ!』
一瞬抵抗できるかと動こうとしたら、使用人さんは一層私をキツく締め上げる。
あーあ、最悪。このあと絶対五条家と禪院家両方から怒られる。
私の人生終わったな。
そう悟った時、何を思ったのかクソガキが口を開いた。
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アリス(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです( ˙˘˙ ) (2022年3月10日 23時) (レス) @page14 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - ボーダーラインさん» そう言って貰えて嬉しいです!応援ありがとうございます!頑張ります! (2022年3月10日 17時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - キャプションで食いついて一気に拝読させて頂きました。あー主人公の性格好き!「下剋上して♡」の団扇とペンラを振りながら読んでしまった…。甚爾に最後で爆弾を投下していくスタイル、いいですねぇ。五条との邂逅も気になる〜!ペンラ振って更新待ってます!! (2022年3月10日 16時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます!がんばります! (2022年3月9日 18時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 更新待ってます!! (2022年3月9日 5時) (レス) @page8 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝋燭 | 作成日時:2022年3月7日 21時