虎杖姉は一撃女【呪術廻戦】

２撃目 ページ4

そして数年後。小学四年生になった私は、遂に夢へと前進することを決意した。

　前世を思い出してから六年。四歳の体で『あの人』の行ったハードなトレーニングをするのは危険だと判断し、私はあの日からずっとはやる気持ちを抑えていたのである。

　さて、本題に移ろう。皆さんはこの言葉をご存知だろうか？

『腕立て伏せ100回、上体起こし100回、スクワット100回、そしてランニング10キロ！これを毎日やる！』

　────そう！かの偉大なサイタマ先生のお言葉である！
　強くなるためには毎日を健康に過ごし地道な努力を重ねるべきという事を暗示している素晴らしい一言！！流石です！サイタマ先生！！！

　実を言うと前世の私もこのトレーニングをやろうとしたのだが、あれは空想の世界だから出来たことであって現実では出来ないと考え、やる前から断念していたのだ。
　だが然し、今世は事情が違う！！転生なんてフィクションでしか有り得ないと思っていたものが実現したのだ！サイタマ先生の強さを手に入れる事も出来ないはずがない！！

　そうして私は雨の日も風の日も暑い日も寒い日も、欠かさず毎日トレーニングをし続けた。三食しっかり食べ、夜更かしせず規則正しい生活を送り、どんなにトレーニングがキツくてもサイタマ先生を思い出して絶対に中断しなかった。


　────然し、サイタマ先生が一年半でその強さを手に入れたにも関わらず、私は一年半経ってもまだサイタマ先生に追い付けなかった。

　恐らくは男と女の体つきの違いなのだろう。サイタマ先生とは性別が違うし、年齢も違う。まさかここで差が出るとは、と私は苦悩した。
　結局は空想の世界だからこその強さなのか、とも思ったが、それに関しては知らないフリをした。いやだって、一杯努力したし今更無駄だったらなんて考えただけで気が滅入りそうじゃん。嫌な事には蓋をしておくべきだよね！

　散々苦悶した挙句、結局はここでやめる訳にはいかないとトレーニングを続けることにした。とどのつまり、意地である。

　そうしてトレーニング二年半目。その兆しは、思いもよらない形でやってきた。


「爺ちゃーん！！また白髪増えたァーーーー！！！」

「悩みがあるなら言えこの馬鹿孫娘ェ！！！！！」

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