1撃目 ページ3
私、虎杖Aは転生者である。
…なに突拍子の無いこと言ってるんだって?それは私も思う。出来れば妄想だと思いたいところだが、これが困ったことにガチなのだ。
そう、それは私が四歳の頃。当時私は幼稚園に通っているピチピチ(死語)幼女だったのだが、ある日唐突に何の前触れもなく社畜ウーマンだった前世が甦ったのである。いやー、あの衝撃は凄かったね!思わず幼稚園の柱に頭打ち付けちゃったよね!
ただ勢いが有り過ぎたようで、私の頭はパックリ割れて血がどくどくと流れ出た。それを見た幼稚園の先生達は阿鼻叫喚。そして私の頭の中は夥しい情報量のせいで一周回って茫然自失だった。
これが所謂輪廻転生??テメー神様とち狂ってやがんのか、頼んでもねーのに転生させるとかどういう了見じゃゴラァ!!!と荒ぶっていたら普通に脳震盪を起こして気絶した。
次に目を覚ましたのは病院で、つい「知らない天井だ……」と呟いてしまった。クソ、これも前世の影響か。一体何ヴァンゲリオンなんだ。
まぁそんなくだらない事を言うのは置いといて。
真っ白な病室の天井を見つめながら考える。どうせ人生ニューゲームなら派手にやり直してぇな、と。だって転生というのはつまり第二のチャンスなのだ。前世というアドバンテージをどう利用するか、どう活かすか。
今世こそ事故で死なずに天寿を全うするのもヨシ、前世と違って医者やらなんやらの儲かる仕事に就くのもヨシ。よりどりみどりである。
然しそこでふと思ったのだ。────なんかかっこいい人生も送りてえな、と。その時脳裏に過ぎったのは、前世で大好きだった『あの人』の姿と言葉。
私は確信した。これは天啓だと。これこそが私の求めていた人生なのではないか、と。
私はベッドの上に勇ましく立ち上がり、丁度病室に入ってきた祖父───爺ちゃんに向かって言った。
「爺ちゃん!!私、ヒーローになる!!」
「馬鹿もん!!頭打ったばかりなんだから立つんじゃない!!!!」
683人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ(プロフ) - ドストライクです!更新待ってます (2月16日 21時) (レス) @page13 id: 808ea90ce0 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 尊き (7月12日 16時) (レス) @page13 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
なつ。(プロフ) - 面白すぎます…!これからも頑張ってください!!続き待ってます! (2022年2月7日 0時) (レス) @page13 id: ea9f89257f (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 面白いです😂続き楽しみです🎶頑張ってください🎌🔥応援してます!! (2022年1月13日 23時) (レス) @page13 id: 91b6b6a73d (このIDを非表示/違反報告)
ん - あけましておめでとうございます!更新ファイトです、応援してます! (2022年1月3日 20時) (レス) @page12 id: 82356caa87 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蝋燭 | 作成日時:2021年12月3日 1時