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“ もうテヒョンと会わないで欲しい、二度と…”
あの日交わしたユンギくんとの約束が頭を過ぎる。
でもジミンくんはテヒョンくんと会って、ではなく最終的には見るだけでも良いと言っていた。
直接会わなければ、約束を破った事にはならないだろうか…。テヒョンくんが壊れると言っていたジミンくんの言葉が気になるし。一度だけ元気な姿を確認するだけ…。
そうやって自分にもユンギくんにも言い訳して。
それでも…一目でいいから、と。
今のテヒョンくんを見て安心したいと望んでしまった。
ーーーーーーーーーーーー
ジウ「Aさん、なんですかそのくそダサイ格好は」
『いや、ジウちゃんが用意したよね?』
ジウ「それはそうですけど」
ジウちゃんが身バレ防止に用意してくれた服装は、帽子・伊達眼鏡・黒Tシャツにベージュのパーカー・デニム。まぁ私の部屋着よりはマシ…けどこのパーカーの“HAPPY SMILE”の文字はいらなくない?そういえば、あのフワフワ可愛い部屋着は何処行ったっけな…。
ジウ「Aさんのハリウッド女優オーラを消し去る完璧なコーデですよ」
『ハリウッド女優オーラって何…』
ご謙遜を、とか言ってるジウちゃんを適当にあしらって意識を目の前のステージに戻した。
トム「どうしよう…僕ちゃんと息してる?」
『トム…まだ始まってもないからね、落ち着いて』
ジミンくんに渡されたチケットは業界関係者に配られる席だった。1枚じゃなくて数枚渡してくれた所にジミンくんの細かい気遣いを感じる。お陰でジウちゃんとトムと3人で来られたのだ。
まだ開演前にも関わらず興奮しっぱなしのトムと、徐々に彼と同じテンションで騒ぎ出したジウちゃんに挟まれて。静かに溜息をついた。
…遠いな。
普段スタジアムに来る事の無い私は会場の大きさにまず呑まれて。
そしてあまりの広さに、今のテヒョンくんと自分の距離感を重ねたりした。
元気で笑顔で居るはずのテヒョンくん。
それを私はただ確かめに来ただけ。
…さっきから頭の中で繰り返し唱える。
ジミンくんが大袈裟に騒いでいたのは気のせいで。
彼は今日もペンの人達に囲まれて幸せに過ごしている…。
それが私が心から願った彼の幸せ。
自分の気持ちを演じてでも守りたかった、大切な人だから。
ジウ「いよいよですね!」
ジウちゃんの言葉とほぼ同時に会場が暗転し、大きなスクリーンに彼等が映し出された。
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りさ(プロフ) - yu-さん» 勿論です😊読み返ししてくださってるんですね、ありがたいです😭✨また次の作品の準備してますので気長にお待ちくださいね💜 (2022年6月16日 7時) (レス) id: e7061fbc4e (このIDを非表示/違反報告)
yu-(プロフ) - 覚えていてくださり嬉しいです🥺♡感謝の気持ちでいっぱいです😊キミエンもヨンタンのお話も大好きです💜こっそり読み返しています🥰バンタンとりささんの新しいステージ、心から応援しています🙏🌷 (2022年6月15日 22時) (レス) id: 4dff4cf25e (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - yu-さん» yuさんいつもコメありがとうございます☺️無事完結いたしました〜!yuさんのコメから着想を得たので、感謝感謝です。ずっと応援しましょう🌈✨そしてテテの現代劇?期待しましょう😁💜 (2022年6月15日 20時) (レス) id: e7061fbc4e (このIDを非表示/違反報告)
yu-(プロフ) - りささん💓完結おめでとうございます💐本当にテテに演じて頂きたい🥺素敵なお話、あとがきをありがとうございました✨次回も楽しみにしています☺️これからも彼らの健康と幸せを願い、ずっと応援します🌈 (2022年6月15日 15時) (レス) @page37 id: 4dff4cf25e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りさ | 作成日時:2021年10月3日 18時