Sense 【BTS】 (ページ16)

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案外彼は策士なのかもよ？と言われ、そうかもしれないななんて思った。
わざわざジョングクとの微妙な関係まで説明したわけじゃないのに、ホソクさんは私達の関係もほぼ理解したうえで適切な言葉をくれて。住人みんなの御意見番の名は伊達じゃないな、なんて。

HS「まぁとにかく、こと恋愛に関しては消極的なAちゃんに言えるのは…守りに入るにはまだまだ若いし、釣りに行かなきゃ魚も釣れないってことかな？」
『また釣りですか…』
HS「え？」
『…いや、こっちの話です』

とりあえず最終的に、その後輩君とデートしてみなよとホソクさんに背中を押されたので。その勢いでジョングクにRainした。

“デートしてみる”という短い文章だったのに、すぐに既読が付いたと思ったらウサギがハートを沢山飛ばしてくるスタンプが送られてきて。ジョングクが十分喜んでくれている事は分かった。

JK「ヌナ！デートいつにしますか？！」

次の日開発部のある階のエレベーターを降りたところで早速ジョングクに呼び止められた。
昨日送ったRainの事だろうけど…こんな所で話す内容じゃないから、と声を潜める。

『いやぁ…するとは言ったけど、そんな今すぐってわけじゃ』
JK「いやいやヌナはすぐに決めないときっと無かったことにしますもん」
『そんなことは…』

ないと言い切れない私の考えをお見通しらしいジョングクは、仕事用の手帳を開いてボールペンまで片手に持っている。

『じゃ、じゃあ今度の日曜は…』
JK「大丈夫です」
『え、予定ちゃんと見た？』
JK「例え何か予定があったとしてもヌナの為に空けるので、大丈夫です」
『えー…』
JK「とにかくヌナは来てくれるだけで良いので、難しい事ごちゃごちゃ考えないで楽しみにだけしといて下さい」

にっこり笑って私の皺の寄った眉間を人差し指でちょんっと触って。そのままスキップして去っていくジョングクの背中を、呆気にとられながら見送った。

JM「お前たちホントにデートするんだね…」
『ジミン…』

傍に居たらしいジミンに先ほどのジョングクとの会話を聞かれていたようで恥ずかしくなる。

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