浮気性な登坂くん。3

episode59 ページ5

広臣side

朝からだるくて屋上で休んでいると

あ「臣！ここにいたんだ♪」

あかりが来た。

臣「何しに来た？授業は？」

俺がそう聞くと

あ「ちょっとー！彼女にそんな言い方はないでしょう？」

なんて言って頬を膨らませる。

あーあ、Aがやれば可愛いんだろうな…

はぁ…。別れてからやっぱり、忘れられない。

あ「また、Aちゃんの事？彼女は、私なんだよ？」

臣「はいはい。あかりは、”彼女のふり”だろ」

あ「……」

そう。俺とあかりは本当は付き合ってない。

Aと別れて、女遊びもやめようとしてた俺に
あかりが、
「私と付け合うふりをすれば、Aちゃんも、臣の事気にし出すかもよ」

なんて変な事言い出して。
その時の俺は、Aと別れたばっかで心に大きな隙間があって、それを埋めるためにその案に乗った。
でも、今考えれば、馬鹿らしい。

臣「あかり、やっぱ、付き合うふりなんてやめよ」

あ「嫌だ！！！」

はぁ…。
何回このやりとりをしただろう。

これじゃあ、俺は一生片思いだ。


雲ひとつない青空の下。

俺のため息だけが漏れる









すると







あ「あ…」

あかりが何かを見つけ指さした。









その先には









岩田の肩を支えながら歩くAがいた。

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