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hk.





新学期が始まった。

当たり前だけど、もう学校に薮さんの姿はない


日直だった日は教室の窓から歩いて出勤する薮さんを眺めて。

歴史の授業で、生徒と余談ばかりして。

誰にも見せない哀愁深い表情とか。

いつものふにゃふにゃ笑顔とか。



全部、まだここにある。

でも、...伊野尾ちゃんが言ってくれた



慧「薮は、光のこと裏切らないよ」



伊野尾ちゃんにとっては、小さいことで落ち込んでる俺への慰めだったのかもしれない

それでも、ずっと心の中にあった真っ黒な部分に光りがさしてきたのは確かで。




慧「光?」

「あ..おはよ」

慧「おはよー。髪伸びたねぇ」

「..ん。」

慧「8月入ってから1回も会ってくんなかったから心配してたんだよ〜、大丈夫?」

「大丈夫、だけど。...」

慧「...また薮のことでなんかあった?」

「ううん。やまだのほう」

慧「え」

「...2週間くらい前に、やまだに呼び出されて。」

慧「...告白?」

「...された」

慧「...それで?どうしたの?」

「それで...」



………。



まだ夏休みも半ば


滴る汗がその暑さを物語っている



いつか来た、Y字路での待ち合わせ。

数分もせず、名前を呼ぶ声がした



・「ひーか!!!」

「やまだ」

・「やっほ」

「うん。じゃあ行こう」


なんでもない、遊びの誘い。

久々に遊ぼって、やまだの方から。


友だちとしての誘いだって、最初から最後まで思ってた。

でも、別れ間際に


・「俺やっぱ..戻りたい」

「..え?」

・「ひかと、より戻したい」



その瞬間、今まで積み上げてたものが全部崩れてって。


また過呼吸になった。

やまだの、あの笑顔が俺を苦しめる。

あの日が全部蘇る。


もう、訳分からなくなって...立てなくなって。

でもここで逃げたら..俺は、また薮さんを拒まなきゃいけない。だから伝えなくちゃ、って

やまだに、


「..やまだ、けほっ...俺やまだがこわい。..っ、また裏切られるって思ったら..、好きな人に告白されても拒まなきゃいけない...そんなの嫌だっ...やまだがあの日、やったことが全部頭に焼き付いてる...トラウマなんだよ、...やっと、..忘れられそうだったのに、なんで...なんでだよやまだ!!!」


つらく当たった、



………。


慧「...そっか」

「..それ以来、やまだとは連絡もとってない」

慧「それで光はどう変わった?」

「..え?」

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ちひ - 完結おめでとうございます (2020年2月6日 0時) (レス) id: d00b237f18 (このIDを非表示/違反報告)
澪.(プロフ) - のずさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年8月8日 14時) (レス) id: de37d55485 (このIDを非表示/違反報告)
のず - お話の雰囲気だいすきです!これからも頑張ってください! (2019年7月1日 1時) (レス) id: 451436b495 (このIDを非表示/違反報告)
澪.(プロフ) - ひまわりさん» ありがとうございます!期待に添えるよう頑張ります!笑 これからもよろしくお願いします! (2019年2月24日 19時) (レス) id: 46fddb6571 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - 続きが楽しみです。更新、頑張ってください。 (2019年2月23日 10時) (レス) id: aa641cded9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:澪. | 作成日時:2019年2月22日 23時

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