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約束_73 ページ21

残暑がすっかり姿を消し、寒さが際立ってきた11月

東京都代表決定戦を来週末に控え
皆の緊張が走る今日この頃

わたしには悩みがある

それは……



「Aー、今日もちょっと駄弁ってこーぜ」


「……いいけど、もう遅いからちょっとだけね」


「えーケチ〜」



クロが、最近少しおかしい


クロと研磨とは、家が近い為3人で帰るのだが……

別に、大抵わたしの家まで送ってくれるのいつも通りだし、練習終わりに少し話していく事自体はよくある

だけどなんか……



「…………ねぇ、研磨」


「俺知らないから。自分でどうにかしなよ」


「デスヨネー」


「おいコラ。仲間外れ反対」


「うわっ…………歩きづらいから袖引っ張らないで」


「えーー」



ひどーい、なんて言いながら
渋々、わたしの袖を掴む手を離すクロ

これくらいなら、今までも普通にある時はあった、はず

だけど、最近酷い気がするのだ



例えば、学校の休み時間



「なぁ、A。さっきのこれ教えて」



これはまだいい。授業ごとにある気がするけど別にいい



例えば、昼休み



「Aー、飯行こーぜー」


「……今日、弁当なんだけど」


「一緒には食えるだろ?あ、夜久〜飯行こーぜ」


「…………」



学食を使う時ならまだしも、弁当の時に無理に誘ってくる事なんて今まであっただろうか。いや別にいいんだけどね?



例えば、朝、学校に行く時



「Aー、はよ〜」


「……研磨じゃないんだから、迎えに来なくてもいいよ」


「いいって。なんかあったらどうすんの」


「今めっちゃ朝だし、クロの家まで5分かからないけど」



以前まではお互い、寝坊常習の研磨の家に集合してた筈だ。それが最近は、わざわざ反対方向のわたしの家まで迎えに来る



挙句の果てには……



「Aー、体育のジャージ忘れたから貸して」


「それは流石にサイズに無理がある」


「えーー」



えーじゃない!考えなくてもわかるわ!
あと、ちゃんとジャージ持ってきてるの知ってるからな!!


こんな感じで、ことある事にわたしを呼んでくるのだ
最初は緊張からかと思ったけど、そういう素振りも無い


いや、うん。わたしはいいんだけどね?


別に、練習に支障が出ている訳でも無い
今みたいに、わたしが拒否すればやめてくれる


でも、理由が知りたい


聞けないのは、聞けば逃げる事が、何となくわかるから

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作者名:ama | 作成日時:2024年3月20日 1時

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