約束_70 ページ18
「Aさん！なんでさっきの、俺達も連れてってくれなかったんですか！？」
「そうッスよ！！アレはバレー部全員で行くべきッス！！」
そろそろ始まる部活動対抗リレーの為に集まったリエーフと山本に、先程の借り物競争について文句を言われるが、知ったこっちゃない
そもそも文句を言いたいのはわたしの方だ
わたしは被害者だ
「ただでさえ目立つお題なのにそんな大所帯で行けるか！」
「いやいや〜3人でもだいぶ目立ってたよ？」
「まさかマイクで言わせられるなんて思ってなかったもん」
「まぁ、1人だったらもう告白だよなぁ」
そのニヤケ顔で言われるとすっごい腹立つ
あの後、3人からすごいイジられるし、女子の冷たい目線が刺さるしで、踏んだり蹴ったりだ
まぁ、もう過ぎたことだ。置いておこう
負けられない勝負はこれからなのだ
『続いては、部活動対抗リレー！1組目は女子の部！皆さん頑張ってください！』
ウチの部活動対抗リレーは3つの部門に分かれて走る
女子部活の部、男子部活の部、そして……
「俺らんとこは、野球部、サッカー部、陸上部か……」
「マネージャーやってる子、以外に少ないもんね」
わたし達が走る、”女マネがいる男子部活の部”、だ
この部門のコンセプトは
いつもお世話になっているマネージャーにどれだけ余裕を持たせてバトンを繋げるか、だそうで
わたしにはよくわからないが、クロと山本曰く
”俺達のプライドをかけた戦い”らしい
ルールとして、3年の主将とマネージャーは強制参加で、残りは１,２年から1人ずつ選出し、1年、2年、主将、マネージャーの順で走ることになっている
男子バレー部は1年からはリエーフ、2年からは山本、主将のクロ、マネージャーのわたしが出るのだが……
「めっちゃ心配なんだが……」
「大丈夫だって。やる時はやる奴らだろ？」
「そうじゃなくて、自分のが」
陸上部の子は元々競技に出ていたと聞くし、不安だ
部費の変動は部の死活問題
増える分には貰っておきたいから、できれば勝ちたい
「それこそ大丈夫だな。お前もやる時はやる奴だし、そもそも、俺達が不安にならないくらい速く走ればいいだけだ」
「黒尾さん！いつものやりましょう！」
「おし！やっとくか」
”俺達は血液だ、滞りなく流れろ
酸素を回せ、脳が、正常に働くために”
「行くぞ！！」
「「「っしゃあ！！」」」
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作者名：ama | 作成日時：2024年3月20日 1時
